初夏の風と新緑が気持ちのいい季節。葉山にあるダイビングショップNANAでインストラクターとして働く橋本雅美さんから、スクーバ・ダイビングの楽しさと海の魅力について教わってきました。
体験初日にダイビングのとりこに
— ダイビング歴はどれぐらいですか?
橋本♣ 7年めになります。20歳ぐらいのときに興味をもってダイビングについて調べたんですが、費用が10万円もかかるとわかって、当時の自分には高すぎると断念したんです。社会人になってから、ゴールデンウィークに何の予定もなくて暇だったので、改めて調べてみたら、約7万円でライセンスが取れるプランがあったんですよ。泊まりがけで伊豆に行く費用も含めて7万だったら高くないなと思って、その日のうちに電話をして、講習を受けに行きました。
— 初めて潜った感想はいががでした?
橋本♣ うわっ、水の中で息してる!って感動しましたね。最初に行ったダイビングショップは都市型といわれるタイプで、初日に学科を受けて、次にプール講習、それから伊豆のほうの海で海洋講習を2日、計4日間でライセンスを取得するコースでした。プール講習の段階でもうすっかりハマって、私、これ、続けられる、絶対やめない!と確信したので、今使っているものとは違うのですが、自分の機材を全部揃えることにしたんです。安いものじゃないですし、潜る前は買うつもりゼロだったんですけど(笑)。機材はだいたい30万円弱だったかな、ローン組んでもらって分割で払いました。
企業に勤めながらダイビング中心の生活へ
— もともと海や泳ぎがお好きだったんですか?
橋本♣ 泳ぐのは泳げましたが、普通に友達とプールや海水浴に行く程度で、日常的にプールに通うとかいうほどではなかったです。茅ヶ崎出身なので海にはよく遊びに行っていましたが、泳ぐのに適してはいないので、地元の海に入ったこともあまりないですね。
— では、何がきっかけでダイビングに興味をもたれたんでしょう?
橋本♣ 映画かドラマかは忘れたんですが、真っ青な海の洞窟に入っていくと光がパーッと差す、という映像をテレビで見て、憧れたことを覚えています。あと、海底に沈んだ船、沈船(ちんせん)を見てみたいと思ったんですよ。沈んでる船ってどうなってるんだろう? 宝探し的な感じでおもしろそうだな、と。でも、実際に沈船を見に行きましたが、今は沈船よりも生物を見るほうが楽しいですね。
— ダイビングを仕事にする前はどんな頻度で潜っていたのですか?
橋本♣ 年間80本ぐらいです。ダイビングではタンクを1本使って1回潜ることを「1本」と数えるんですが、1日だいたい2本として、2~3週間に1度は潜りに行っているペースでしょうか。潜るために節約しちゃう?みたいな生活になって、すっかり貯金ができなくなりました(笑)。
今からでも仕事にできるのか? 悩んだ末の転職
— ダイビングを楽しむにはライセンスが必要なんですよね?
橋本♣ 私は最初にPADIというスクーバ・ダイビングの教育機関が認定しているオープン・ウォーター・ダイバーを取りました。自分たちで計画を立てて水深18メートルまで潜れることができる初級の資格です。その後、アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー、レスキュー・ダイバーなど、資格を増やしていきました。
— 仕事でダイビングに関わるにはまた別の資格が必要なんでしょうか?
橋本♣ PADIではダイブマスター以上がプロ資格となります。ダイブマスターだとガイドはできますが、インストラクターとして教えることはできません。私は働き始める前にオープン・ウォーター・スクーバ・インストラクターまで取得しました。趣味で潜っている人でもインストラクター資格を持っている人は意外といるんですよ。
— では、インストラクターとして働くことになったのはどんな流れで?
橋本♣ ダイビングにすっかりハマって、仕事にしたいなぁと思うようになったんですが、スタートしたのが30歳前後だったので、今からでも仕事にできるのか? という気持ちがあって、プロ資格を取ったあともすごく悩んでいました。1年間迷って、そんなに迷い続けるってことはすっごくやりたいんだろうな、と思ったんです。そうじゃなかったらとっくに諦めてるだろうし。それで親にも「今働いているところを辞めてダイビングインストラクターに転職します」って宣言しました。勤め先を探し始めたときに友達から「NANAでスタッフ募集してるよ」という話を聞いて、今に至ります。
*大好きなダイビングを仕事にした橋本さん。後編では、インストラクターとしての日常と海の魅力をたっぷり語っていただきます。
First Posted : 2015.6.22 on "clover&"