*久賀田さんのネイルサロンのお客さまは、30代~40代の仕事をもつ女性が中心(前編)。「忙しい毎日の中で、ごほうびのようにネイルサロンに訪れてほしい」と話す久賀田さんは、意外な職業からの転身組でした。
小学校の先生を辞め、ネイリストに!
— いつ、どのようなきっかけで、ネイルの世界に足を踏み入れたのですか。
久賀田♣ 大学は教育学部で、卒業後は幼稚園の先生、小学校の先生を経験しました。楽しかったんですが、そのころエステサロンに通っていまして、その方の仕事ぶりを見て、「こういうふうに手に職をつけて、自分のペースで働ける仕事ってすてきだな」と感じたんですね。それで、細かい作業や絵を描くことが好きで得意だったので、ネイルを学べるスクールに通い始めたんです。
休日に週1回、おけいこごとのような感じで通っていたんですけど、ふだんほかのおけいこでは飽きっぽい私がなぜかはまってしまって。1年かかって、ネイリスト検定2級の資格を取得しました。
一般的に2級があればネイルサロンに就職できるので、当時は小学校の先生だったんですが、思いきって辞めて、ネイルサロンに就職を決めました。固い教育関係の仕事とはまったく分野が違うこと、収入や休日が安定しないことなどから周囲にはずいぶん反対されましたが(笑)。
— 関西にお住まいだった久賀田さんが、東京のネイルサロンに就職されたのはなぜですか。
久賀田♣ 海外でのネイル事業にも興味があり、ニューヨークに本社を置き、技術力の高いサロンとご縁があったので、そこに就職。それが、たまたま東京だったのです。もちろん、東京には旅行等でよく来ていて好きでしたし、東京ならいろいろな刺激を受けて勉強になるし、チャンスも多いかな、という思いもありました。
上京と同時にはじめての一人暮らしも始め、大きな決断でしたが、もともと新しいことを始めるのに躊躇しない性格なので、いい方向に進むかな、と楽観的に考えていました。実際、勤めたサロンの店長はきびしいけれどいろいろ教えていただけたので、人には恵まれてここまでこれたと思います。
いろいろなものを見聞きして感性を磨く
— ネイルサロンには5年勤めて、独立されたのですね。独立のきっかけは?
久賀田♣ サロンではチーフも経験させていただき、店経営の基本も学べたし、20代最後の年になり、そろそろ自分自身の実力を試してみたくなったんです。年齢的に、いまががんばりどころだ、と。
おかげさまで、周りの方のご紹介や口コミで広がり、今は毎日更新しているブログがきっかけでご来店くださるお客さまも多く、経営は順調です。
— サロンを経営していくうえで、努力していることはありますか。
久賀田♣ デザインに活かしていくために、月に一度は大きな書店に行き、あらゆる雑誌や本などを眺めて過ごします。ネイルやファッションの雑誌が参考になるのはもちろんですが、インテリア雑誌のカーテンの色合いからインスピレーションを得るようなこともあります。
あと、できるだけ美術館や舞台などに足を運び、感性を磨くようにしています。
指先がきれいだと、励みになる
— お客さまと接していて、どんなときがいちばんやりがいがありますか。
久賀田♣ 私自身、ネイルを知るまでは、ネイルって美容の中でも優先順位が低いものだと思っていました。ヘアスタイルやお化粧よりは、気をつけなくてもよいもの、というか。
でも、はじめてサロンでネイルをしてもらったとき、ふとしたときに目に入る自分の指先がきれいだと、とてもうれしい気持ちになることに気づいて。考えてみたら、ネイルって、唯一鏡を見なくても、自分で見ることができるおしゃれなんです。
お客さまにも、忙しかったり、いろんなことがうまくいかなかったりしていてストレスがたまっていても、指先を見ると「ああ、私ってまだまだ大丈夫」と思えて励みになると言われます。それはとてもうれしいし、やっていてよかったと思いますね。
— 仕事や家事、育児に忙しい30~40代の女性の方におすすめのネイルケアについて教えてください。
久賀田♣ ジェルネイルは丈夫なので、こまめにケアできない忙しい方にもおすすめです。お仕事の関係や小さいお子さんがいらしたりして、デコレーションをするのが難しい場合も、ときにはサロンに行ってネイルケアをしてもらうと良いと思います。甘皮の処理や二枚爪のケアをし、油分をしっかり補ってあげるとだいぶ指先に自信がもてるようになりますよ。
— 参考になるお話をどうもありがとうございました。
First Posted : 2015.2.23 on "clover&"