加圧トレーニングインストラクター 樋口まゆ子さん(前編)

おもしろそう!と思ったら、まずやってみる。 好奇心と行動力が、キラキラ笑顔と元気の秘密! TEXT by 鈴木麻由美 PHOTO by 菊池陽一郎

東京・駒沢大学駅前の加圧トレーニングスタジオ&ランニングステーションPARKで、加圧トレーニングインストラクターをしている樋口まゆ子さん。ヨガ、サーフィン、トレイルランニング、バスケットボール、テニス等、スポーツなら何でもござれのスポーツウーマンだけあって、小麦色に日焼けし、健康的に引き締まったスタイルが魅力です。キラキラ輝く大きな瞳が印象的な彼女に、笑顔と元気の秘密を聞きました。

短時間で効果が得られる加圧トレーニングは、忙しい人におすすめ

— 樋口さんが行なっている加圧トレーニングとは、どのようなものですか。

樋口♣ 簡単に言うと、体に軽い負荷をかけた状態でトレーニングをすることで、より短時間により効果的なトレーニング結果を得ようというものです。
具体的には、上半身の場合は腕の付け根、下半身の場合は脚の付け根に加圧トレーニング専用のゴムチューブやベルトなどを巻き、ふだんの6~7割程度に血流制限をかけます。そして、その状態でダンベルを使用するなど軽いトレーニングを行ないます。そうすると、制限をかけた部分に疲労物質がたまります。そして、脳がその疲れた部分を回復させようと、大量の成長ホルモンを分泌します。
成長ホルモンには、体の成長はもちろん、新陳代謝を活性化させたり、免疫機能を強化させたり、脂肪を減少させたりする働きがあります。加圧トレーニング時、脳は通常時に比べ何百倍もの成長ホルモンを分泌するといわれています。ですので、上半身で5分から10分、下半身で10分から15分程度、このくらい短い時間でも、長時間トレーニングするのと同じかそれ以上の効果が得られるというわけです。

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最近、凝っているのは、素足に軽いサンダルを履いて走る裸足ランニング。 「山を走ると、気分爽快!」

加圧トレーニングは、どのような人がどのような目的で行なっていますか。

樋口♣ こちらのスタジオの場合、昼間だと小さなお子さんがいる方、夕方以降は会社帰りのビジネスマンやOLさんなど、30代から50代くらいの人が多いです。この年代はみなさん忙しいので、だいたい週1回くらいのペースですね。
「やせたいんです」とか「疲れやすいので体力をつけたい」とか、「姿勢が悪いので矯正したい」などという目的で来ていらっしゃいますね。そう、中には「もうすぐ結婚式なので、それまでにやせたい!」という人もいました(笑い)。即効性は……本人次第ですね。体重を落とすには、加圧トレーニングだけでなく、食事制限なども必要になってくるので。

体脂肪が燃えやすくなり、自然と体が引き締まる

— みなさん、トレーニングの効果を実感していらっしゃいますか。

樋口♣ そうですね。週1回でも着実に続けていらっしゃる方は、効果が出ています。だいたい3か月ほどで、「なんか変わった」と思えるようになるようですね。
新陳代謝が高まり、筋肉がついて体脂肪が燃えやすい体になるので、自然と体は引き締まりますし、「最初、つらかった腹筋ができるようになった」とか「ふだんから姿勢を気にするようになった」などの声をいただいています。

— 加圧トレーニングを指導するときに、意識していることを教えてください。

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「体を見ると、だいたいふだんどのような生活をしているか、わかります。 その人のライフスタイルに合わせて、指導するのがモットー」

樋口♣ 加圧トレーニングはたしかに効果がありますが、専門のトレーナーの指導のもとでしか行なうことができません。ですので、週に1、2度、ここに来たときだけトレーニングするのではなく、日常生活にもトレーニングを取り入れて、体の使い方から変えていったほうが効果的です。
たとえば、とくに女性に多いのですが、内ももの筋肉が弱い人がいたとします。ももが太かったりたるみやすかったりということで、「ここに筋肉をつけたい」と言ってきたとします。その場合、加圧トレーニングによって、内ももの筋肉を鍛えて引き締めることはできます。
でも、それだけだと一時的な効果しかないんです。そもそも内ももの筋肉が弱いのは、歩き方のくせだったり、体全体のバランスだったりするので、そこから改善していかないと、いずれまた同じ悩みが出てくるのです。ですので、私が加圧トレーニングを行なうときは、立ち方とか歩き方とか重心の取り方など、体の使い方から指導するようにしています

一人ひとりのライフスタイルに合わせ、家でもできるトレーニング法を指導

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樋口♣ そして、その人のライフスタイルを考えたうえで、家でも実践できるようなトレーニング方法をお伝えしています。たとえば、主婦だったり仕事をしていたり、いろいろなライフスタイルがあるわけですが、その人が実行できそうなこと――たとえば、主婦なら「家で掃除をしながら、こんなトレーニングはどうですか」とか、OLさんなら「電車に乗っているとき、こんなふうに姿勢を意識して生活してみませんか」などと提案したり。
素直に実行してくれる人は、やはりどんどん体が変わってきますし、そうするとこちらもやりがいがありますね。

40代前後の女性におすすめの、家でできるトレーニング法を教えてください。

樋口♣ とくにいまの季節、二の腕のたるみを気にする女性は多いんです。そのとき、ダンベルなどで二の腕を鍛えるのもよいのですが、その前に姿勢に注意してみてください。猫背だと、二の腕がたるんでしまうんですよ。姿勢に気をつけ、肩甲骨をよく動かすようにしてみましょう。少しずつですが、二の腕が引き締まってきます。
また、冷え性で悩んでいる女性も多いのですが、それは足指をしっかり動かすことで改善します。ヒールを履く生活を送っている人はとくに、靴をはかないときは足指を開放して、開いたり閉じたりする運動をしてみましょう。足指が縮こまっていると、ふくらはぎも硬くなり、むくみやすくなります。足指の体操をすることで、むくみが解消し、足が細くなる効果もあるんですよ。

*女性のニーズに合わせたきめ細かな指導が得意な樋口さん。
彼女が加圧トレーニングに出会ったきっかけは? 後編に続きます。

First Posted : 2014.8.4 on "clover&"

PROFILE

樋口 まゆ子 [ひぐち まゆこ]

加圧トレーニングインストラクター、ヨガインストラクター
三重県出身。スポーツ歴は、ヨガ、サーフィン、トレイルランニング、バスケットボール、テニス。

加圧トレーニング&ランニングステーションPARK ランナーの多い駒沢公園(東京都世田谷区)近くに立地し、ロッカーやシャワーを完備したランニングステーションと、短時間で効果の高い加圧トレーニングスタジオを主なメニューとする。無料託児スペースがあり、子連れママの利用も多い。
http://park-komazawa.com


writer’s profile

鈴木麻由美 女性のライフスタイル全般および育児・保育・教育関係を中心に取材・執筆。

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