「il sole(イルソーレ)」は、本格的なイタリア料理が楽しめる親子カフェ。東京・新宿駅から十数分の私鉄駅から徒歩3分。商店街の2階に構えた店は、キッズスペースや授乳室、おむつ替え室も備え、子育て中でも気兼ねなく利用できる工夫がそこかしこに。店長でありシェフである夫とともに店を立ち上げ、マネジメントを一手に引き受ける辻亜耶さんに話を聞きました。
子連れでも楽しめる本格的なイタリア料理
— 「親子カフェ il sole(イルソーレ)」は、どのような場所なのですか。
辻♣ 0歳から6歳までの未就学児の親子を対象としたレストランです。ホテル西洋銀座で修業したシェフが本格的なイタリア料理をお出しします。
小さなお子さま連れの方でも気兼ねなく食事を楽しんでいただけるように、飲食スペースのほかに子どもが遊べるキッズスペースを設け、独立した授乳室、おむつ替えスペースも備えました。ランチタイムは10時半から16時まで、ディナータイムは18時から21時まで。シェフであり店長である夫とともに2009年にオープンし、6年経ったところです。
— どんな方がどのように利用されていますか。
辻♣ 平日の昼間は主にお母さまとお子さま、夜や土日はご家族連れの方が多いですね。
金曜日の夜などは、よく保育園のお母さま方が集団でいらっしゃいます。仕事で疲れて、夕ごはんを作るのは大変、金曜の夜くらいゆっくりしたい! ということなのでしょうね。
コース料理もお出しするので、結婚記念日にお父さんが予約してくださったり、お祝いの日におじいちゃんおばあちゃんも交えてご家族でいらしたり、そんなふうに利用してくださる方も。また、これからの時期は、幼稚園や保育園の謝恩会なども多いですよ。
— 予算は、どのくらいですか。
辻♣ ランチタイムだと親子で2000円くらい、ディナータイムだと3000円くらい。宴会プランで飲み放題をつけても4000~5000円くらいです。子育て世帯でも、なんとか無理なく出していただける金額だと思っています。
ママ友交流の場として、最高!
— ママ友づくりやママ友交流の場としては最高ですね。
辻♣ 私も子どもがいるからわかるのですが、みんな「場」を求めているんです。家にいて子育てをしていると息が詰まるし、わが子の成長の度合いがわからず不安になってしまう。みんな実際はどうなの? と友だち同士で情報交換がしたいときに、ここがその「場」になってくれればいいな、と思っています。
実際、お客さまから「離乳食を食べてくれないんです」と相談されることも多いんですよ。離乳食のメニューもあるので、「ここのなら食べるんです。レシピを教えてください」と言われることも。もちろん、お教えしています。
— 午前中は、さまざまな講座も開講しているのですね。
辻♣ 子育て中のお母さまやお子さまを対象とした講座、たとえばリトミックや英語、ヨガ、ベビーマッサージ、スイーツデコレーション、タイルワーク、お昼寝アートなど、コンスタントに開講しているものだけでも15講座くらいはあるでしょうか。
講師の方も、多くは子育て中のお母さまです。これまでのお仕事やおけいこごとで得たスキルや知識を生かしたいけれど場所がない、自宅を開放したり自治体の施設を借りたりしてまでというのはハードルが高いという方に、気軽にご利用いただいています。
基本的に講座は午前中なので、終わったあとに「せっかくだからお昼でも」となり、食事をしていただけるので、こちらにもメリットは多いんです。
アレルギー対応メニューを求め、遠くから来店する人も
— アレルギー対応も可能なのですね。
辻♣ はい。もともとアレルギー対応をしようと思っていたわけではないんです。でも、お客さまのほうから「アレルギーがあるんですが、どのメニューなら食べられますか」という問い合わせがすごく多くて。卵を抜いたり、小麦を抜いたりと対応しているうちに、自然とこちらからもご提案ができるようになりました。
たとえば、「卵も乳も小麦もダメなんです。ケーキなんて無理ですよね……」などと相談されると、職人魂で「挑戦してみよう!」と。米粉や豆乳などを使い、卵、乳、小麦を一切抜いたケーキを作るチャンスをいただきました。「生まれて初めて、子どもにケーキを食べさせてやれました」と感謝されたときは、うれしかったですよ。
— 重宝されるでしょうね。
辻♣ ええ。アレルギーの方は安心して食べられるレストランが少ないので、大阪など遠方から、うわさを聞きつけていらっしゃる方もいます。ありがたいことです。
*子育て中のママの息抜きの場として人気の「il sole」。夫婦の二人三脚で6年、成功の秘訣は? その道のりは? 後編にご期待ください。
First Posted : 2015.3.2 on "clover&"