インテリアコーディネーター 小島真子さん(後編)

力仕事もこなす働きぶりが人気の秘訣!? お客さまに合わせたていねいなヒアリングと TEXT by 鈴木麻由美 PHOTO by 菊池陽一郎

*一人ひとりのライフスタイルに合わせた空間の提案を心がけている小島さん(前編)。小島さんのwebサイトにアップされている施工例を見て、連絡をくださるお客さまは後を絶ちません。

こぎれいに見えて、意外に力仕事!

— お仕事をされていて、楽しいのはどんなときですか。

小島♣ お客さまのインテリアに対する価値観が変わる瞬間を見るときですね。あまりインテリアには興味ないとおっしゃっていたお客さまが、コーディネートのビフォー・アフターをごらんになって、「インテリアによって、部屋ってこんなに変わるんですね!」と感動していただいたときなど、とても嬉しいし、やりがいを感じます。

— 逆に、大変なのは、どんなときですか。

小島♣ インテリアコーディネーターって、こぎれいな仕事というイメージが強いと思うのですが、実際はかなりの力仕事。とくに私の場合、納品にも立ち会うので、家具の入れ込みなどもふつうにお手伝いするんです。
都内などだと、駐車場がなかったりあっても遠かったりするので、かなりの距離を業者さんといっしょに家具をえっさ、ほいさ、と運んだりすることも。部屋に運び込んでからも、お客さまの希望に合わせて家具を移動したりするので、もう汗だく(笑)。だから、ほとんどスカートは履かないですね。
あと、カーテンなどオーダーものの商品は、私がサイズを測ってオーダーするのですが、業者さんのほうでミスがあったとしても、お客さまに頭を下げるのは私。オーダーものの商品があるときは、いつもヒヤヒヤしています1020_life_07_photo011

インテリア関係の仕事は、不動産の営業からスタート

— 小島さんが、インテリアコーディネーターになった経緯を教えてください。

小島♣ 子どものころからインテリアが好きで、部屋の模様替えをしたり、インテリア雑誌「私の部屋」を愛読していました。
高校を卒業し、短大に入学したんですが、当時はインテリアコーディネーターの資格試験に年齢制限があり、22歳以上でないと試験を受けられなかったんです。そうすると、20歳で短大を卒業しても2年間は、インテリア関係の仕事に就く手立てが得られない。そう思って、半年であっさりと短大を中退してしまったんです。
とりあえず何か仕事を、と思って就職活動を始めたんですが、これがなかなか受からない。50社くらい受けても、全然ダメ。ようやく最後にひっかかったのが、スポーツクラブの受付で、ここで接客業を経験しました。
その後、やっぱり家や部屋まわりの仕事がしたいと、不動産の仕事に転職。インテリア好きを生かし、間取りに合わせた家具のレイアウトなどのご提案をしながら、賃貸の営業をしていました。また、24歳で結婚したのですが、嫁ぎ先が建設会社をしていたので、そちらのお客さまから建築の依頼があったときに、インテリアのご相談にのらせていただいたりもしました。

— インテリアコーディネーターの資格を取得したのはいつですか。

小島♣ インテリアコーディネーターの勉強は、ずっと独学ですすめていたのですが、学科はよくても実技に苦労していました。当時はまだ子どもが小さく、なかなか学校に通えずにいたのですが、29歳のときにこれが最後と実技の学校に通ったら、あっさり合格できました。資格取得後は、妊娠した際に辞めていたインテリア事務所に復帰してしばらくお世話になり、32歳のときに独立しました。フリーのインテリアコーディネーターとしての活動は、約3年になります。

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インテリアの仕事に就く前に接客業を経験。「どんなお客さまとも上手にコミュニケーションをとれるようになり、それがインテリアコーディネートの仕事にも生きています」

webサイトの記事を工夫して、仕事をゲット

— フリーランスの場合、仕事を得るのが大変ですよね。小島さんの場合、どのようにお客さまを増やしていったのですか。

小島♣ 私の場合は、インターネットですね。お客さまの9割が、私のWebサイトを見て、連絡をくださった方々です。
サイトを開設するにあたっては、いろいろなサイトを見て、人に読ませるコピーの書き方や見せ方などを勉強し、私の人柄が伝わるような記事を心がけると同時に、当初は1日に2回、3回と頻繁に更新するようにしました。また、アクセス業者さんのアドバイスを受け、アクセス数が高まるような工夫もしました。おかげさまで、順調に仕事も増え、忙しくさせていただいています。

インテリアコーディネーター同士のネットワークを作りたい

— どんなお客さまの、どんなご依頼が多いですか。

小島♣ まちまちですね。30代のご夫婦からお子さんがまだ小さいのでリビングにキッズスペースを設けたいというご相談があったり、50代のご夫婦で夫婦二人暮らしをもっと楽しみたいからリビングをすっきりさせたいというご相談があったり。そのほか、病院やサロンなど法人のお客さまからのご依頼も多いです。
ネットならでは、だと思うのですが、ときにユニークなご依頼もあります。先日は、ラブホテルから、各部屋のベッドの上にかけるベッドスローという布にインテリア性を出したいというご相談がありました。そして、タオルアートといってタオルをいろいろな形に折ったものをベッドの上に置いてお客さまをお迎えする演出が海外のホテルなどによくあるのですが、そのスワン型の作り方を教えてくれと。急いでやり方を調べて練習し、教えて差し上げました。

— 今後、お仕事をどのように展開していくか、考えていらっしゃることはありますか。

小島♣ やはり一人でやれることには限界があるので、インテリアコーディネーターをめざしている方たちと手を組んで、ネットワークのようなものを作りたいです。勉強会を開催したり、仕事を分け合ったり、これまでに考えたコーディネートを一人だけでしまっておかないで、お互いに共有したり。仲間同士、協力し、高めあっていけたらと思っています。

— 最後に、お部屋をセンスよく見せるためのワンポイントアドバイスをお願いします。

小島♣ いちばん手軽な方法は、色使いに気を配ることです。お部屋の中の色は3色以内にまとめたうえで、たとえばカーテンの中の1色をクッションやソファ、小物類にもってくるなど、部屋の中に同じ色のつながりをつくると、お部屋がまとまってセンスよく見えます。

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「お部屋の中に同じ色のつながりをつくると、おしゃれに見えます。 この部屋の場合、カーテンに水色が入っているので、ソファとケースの蓋を水色にして色をつなげました」

— なるほど。参考になります。今日は、すてきなお話をありがとうございました。

First Posted : 2014.10.20 on "clover&"

PROFILE

小島真子 [こじま まこ]

インテリアコーディネーター。
ラフスタイル代表。法人・個人のインテリアコーディネート業をはじめ、セミナー講師、執筆活動、コンサルティングほか、企画やメディア協力等でも活躍中。
http://www.laugh-style.jp/

〈近況〉ブログ:インテリアコーディネーター小島真子Blog


writer’s profile

鈴木麻由美 女性のライフスタイル全般および育児・保育・教育関係を中心に取材・執筆。

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