
「女子キャンプ」という新しいスタイルを確立し、いまイラストレーター兼アウトドアコーディネーターとして活躍中のこいしゆうかさん。女性の余暇の過ごし方の選択肢の中に、あたりまえのように「キャンプ」が入ってきてほしいと、あちらこちらで「女子キャンプ」の魅力を伝えています。
女性一人でも気軽に楽しめるキャンプスタイルを提案
— いま、どんな活動をされているのですか。
こいし♣ フリーランスのイラストレーター兼アウトドアコーディネーターとして、主に女性に向けた新しいキャンプスタイルを提案しています。
具体的には、イラストや漫画、文章などで女子キャンプのやり方や魅力についてお伝えしたり、雑誌やテレビなどで女子キャンプをテーマにした企画のコーディネートをしたり、イベントでのトークショーや講習会の講師を務めたりなどです。
— お仕事を始めるまでの経緯を教えてください。
こいし♣ 大学を卒業して、イラストレーターの勉強をしながら、梱包資材業界でOLを5年やりました。その会社の人たちがアウトドア好きで、あるときキャンプに誘ってもらったんです。それが、とっても楽しくて! すぐに、はまってしまいました。
もっとキャンプに行きたい! と思ったけれど、大がかりなキャンプだと、みんなで車を手配したり、大きなテントを用意したり、と気軽に出かけられない。そこで、気軽にできるキャンプってどんなスタイルなんだろうと、いろいろ調べながら実践しながら、女性が一人でも楽しめる新しいキャンプスタイルを形づくっていったんです。
それで、ああこれなら私一人でもできる! と思ったときに、実際に一人で行ってみるのは怖かったので、SNSで仲間を募ることにしました。同時に、私はこういう人物です、という自己紹介のために「女子キャンプ」と名付けたブログも立ち上げました。
一人でキャンプがしてみたいという女性は思った以上に多くて、女子キャンプの第1回目は4人だけだったのが、第3回目は40人。みんなそれぞれが一人用テントを持って、楽しく交流しながらも自立したキャンプを楽しむという、私がめざしていたことがそこで形になりました。

「女子キャンプ」を世の中に広めたい!
— それから、すぐにフリーランスに?
こいし♣ 会社勤めのほうは、ブログを立ち上げて間もなくの2009年ごろ、転機を感じて退職しました。当時、実家暮らしだったので、気軽に辞めてしまいましたが、1~2年はニートキャンパーでしたよ(笑)。OL時代の貯金を切り崩しながら、1年365日中半分以上はキャンプに出かけていました。
でも、同時に、女子キャンプという形を世に広めていきたい、これを仕事にしたいと思っていたので、営業活動も頑張りました。女子キャンプというめずらしいスタイルのキャンプをやっているということで、何かの媒体に取り上げていただく際には、イラストを持って営業。漫画を描きたかったので、自分で見つけた編集プロダクションに営業をかけ、『キャンプ、できちゃいました』というコミックエッセイも出していただきました。そのころから、一気に仕事の幅が広がりました。

キャンプの魅力は、非日常感
— こいしさんがそこまで惹かれるキャンプの魅力とは?
こいし♣ まずは、たき火ですね。小学校のときのキャンプファイヤーも感動しましたが、キャンプでのたき火は、それ以上。自分で火をつけて、自分で火を育てていく過程がたまらない。
いちばんはじめに行ったキャンプで、たき火を体験したんですが、ああ、これは癒されるな、と。たき火の炎って、f分の1ゆらぎという、なんともいえない心地よさがあるのだそうですが、ほんとうに思わずウトウトするくらい気持ちがよかった。
それと、自然の中で寝るという非日常感。都内からほんの1~2時間、電車や車で離れた場所に行くだけで、気分がリフレッシュされるんですよね。

*気軽にキャンプに出かけたい一心で、試行錯誤の末、「女子キャンプ」という新しいスタイルを確立したこいしさん。後編では、おすすめの「女子キャンプ」について語っていただきます。
First Posted : 2015.6.8 on "clover&"