フラワーアートディレクター 関屋紀子さん(後編)

仕事をしながら お花のパワーで癒される TEXT by 鈴木麻由美 PHOTO by 遠崎智宏

フラワーアレンジメントの仕事に就いて20年(前編)。関屋さんにとって、お花はパワーの源でもあります。

贈る相手のイメージに合わせてアレンジ

— 関屋さん自身は、どのようなフラワーアレンジメントが好きですか。

関屋♣ 私は断然、生花派ですね。最近はブリザードフラワーなども人気ですが、私は生きているお花が好きです。受け取れるものが全然違います。お花と会話をしながら、アレンジをしているんですよ。

— これが得意、というスタイルは?

関屋♣ かわいらしいイメージ、スタイリッシュなイメージ、なんでもつくります。あえて、これが好きとかこれが得意というものは、つくらないようにしているんです。たとえば、ギフトでしたら、贈るお相手に合わせてつくり分けることが大事なので。
ですので、ギフトのご依頼をいただいたときは、できるだけ贈るお相手の情報をお聞きしますよ。男性か女性か、年齢はどのくらい、お仕事は、生活スタイルは。お名前でフェイスブックなどを検索することもあります。お顔がわかれば、よりその人ご自身がイメージしやすいんです。
最近、化粧品会社のWEBサイトで、各方面で活躍されている40代以上の女性のイメージブーケをつくる仕事をしています。その人のお仕事や雰囲気からイメージしてブーケをつくるのですが、これがとても楽しい!
たとえば、真っ白なワンピースで登場されると聞いた女性のときは、ブーケも真っ白な胡蝶蘭で、など。ある女性のときは、発酵マイスターという仕事でお味噌を扱うとのことでしたので、お味噌をイメージしてチョコレートカラーのコスモスを散らしてみました。

とてもクリエイティブなお仕事なのですね。

関屋♣ ええ。でも、見た目は華やかですが、肉体労働でもあるので、大変なことも多いんですよ。たとえば、手荒れや腰痛は日常茶飯事。いつも左手で花を抱えるので、左腕だけムキムキなんです(笑)。

ファッションも身のこなしも優雅な関屋さんに憧れて、レッスンに訪れる生徒さんも多いそう。
ファッションも身のこなしも優雅な関屋さんに憧れて、レッスンに訪れる生徒さんも多いそう。

自宅で花を楽しむコツは?

わたしたちが自宅でお花を楽しみたいと思っても、すぐに枯らしてしまったり、傷めてしまったりしがちです。フラワーアレンジメントや切り花を長持ちさせるコツを教えてください。

関屋♣ まず、フラワーアレンジメントの場合は、オアシスに水を足すときに花びらに水をかけないようにしてください。花びらに水がかかると、シミになったり、傷めてしまうことがあります。細長いノズルのじょうろなどをひとつ、用意されるといいですね。
切り花の場合は、こまめに茎を斜めに水切りしましょう。水にサイダーをちょろりと入れるといいですよ。炭酸の酸には殺菌作用があり、砂糖は栄養になるんです。サイダーなら、ペットや子どもが間違えて口に入れてしまっても安心ですしね。

生きている花は、そこにあるだけできれい。「誰にでも失敗なく楽しめるのがフラワーアレンジの魅力ですね」
生きている花は、そこにあるだけできれい。「誰にでも失敗なく楽しめるのがフラワーアレンジの魅力ですね」

今後はギフトに力を入れたい!

いま、ご自宅兼教室を建設中だそうですね。今後の展開について教えてください。

関屋♣ 以前は自宅のダイニングでレッスンをしていたのですが、いま建設中の自宅兼教室が完成すれば、独立した教室でレッスンできるようになります。そうしたら、いままで以上にレッスンを組むことが可能なので、しばらくお休みしていた講師養成などにも力を入れていきたいと思っています。そして、アシスタント講師をしていただける方を育てたい。私自身は、できればギフトに力を入れていきたいと思っています。

最後に、関屋さんがお花の仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

関屋♣ いつも清らかな心でいることです。お花の仕事は、おめでたいときだけでなく、おくやみのときもありますので、そんなときはとくに心をピュアにして取り組むようにしています。

疲れることはありませんか。

関屋♣ あっても、顔にも口にも出さないようにしています。大丈夫、ストレスはお花が解消してくれますので。お花って、触っているだけでパワーをもらえるんですよ。

レッスンの最後に、自分がアレンジした花とともに写真撮影。
レッスンの最後に、自分がアレンジした花とともに写真撮影。

取材協力=サロン・ド・ベルファム

First Posted : 2015.4.13 on "clover&"

PROFILE

関屋紀子 [ せきやのりこ ]

短大卒業後、OLを経て、フラワーアレンジメントスクール講師、ハウスウエディングの専属フラワーコーディネーターを経験し、独立。現在、フラワーアレンジメントサロン Floral Medallion(フローラルメダリオン)を主宰し、フラワーアレンジメント講師、フラワーコーディネーターとして活躍中。

http://fmd.tea-nifty.com/nf/

〈近況〉目黒(東京都目黒区)の新しい自宅兼教室がオープンしました。詳しくはブログへ。


writer’s profile

鈴木麻由美 女性のライフスタイル全般および育児・保育・教育関係を中心に取材・執筆。

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