若石リフレクソロジスト 平岡裕美子さん(後編)

足と靴と歩き方を整えて 「しっかり歩き」で健康に! TEXT by 鈴木麻由美 PHOTO by 菊池陽一郎

*ウォーキングを皮切りに、足の健康を追求してきた平岡さん(前編)。靴下をきっかけに運命の出会いを果たした若石リフレクソロジーとはどんなもの?

足の反射区を刺激して、症状を改善

— 若石(じゃくせき)リフレクソロジーとは、どういうものですか。

平岡♣ 足の裏にある反射区を刺激することで、そこに対応する体の各部分の不調を改善していくというものです。
若石リフレクソロジーは台湾式なんですが、西洋式のリフレクソロジーと大きく違うのは、自分の健康は自分で守る、つまり自宅でのセルフケアに重きをおいているところ。
食事を毎日するのと同じで、足の裏の反射区も毎日、刺激しないと効果がない、という考え方です。一週間に一度、健康にいいものを食べたからって、あとの食事はどうでもいいというわけではないでしょ。反射区を刺激することで血流を良くし、酸素を体に行き渡らせて、ということを毎日しないと、健康に結びつきません。
そこで、サロンでは、施術と同時にセルフケアの方法をお伝えしています。西洋式のリフレクソロジーサロンだと、帰り際に「またのお越しをお待ちしています」というところ、若石リフレクソロジーサロンでは、「次にお越しになるまでに、ご自宅でのセルフケアもなさってくださいね」というわけです。

— サロンには、どのような方がどのような目的でいらっしゃいますか。

平岡♣ 20代から50代の女性が中心です。私ひとりでやっているので、原則女性限定にしています。健康を維持したいというのはもちろん、腰痛や五十肩など体の不調や外反母趾(がいはんぼし)など足のトラブルを解消したいという目的でいらっしゃる方が多いですね。
医療ではないので「治す」ことはできないのですが、症状は改善するようで、みなさん喜んでくださいます。五十肩で腕が上がらなかった人が、施術を受けた結果、頭の上に手が伸ばせるようになることも。肩にも腕にも触らずに、五十肩の症状が改善するなんて、若石リフレクソロジーの力ってすごいでしょ。

— セルフケアも可能なのですか。

平岡♣ はい。厳密には、足のこの部分は頭、この部分は背骨など反射区は決まっているのですが、家でやるときは、足全体をまんべんなく刺激するのでよいと思います。簡単だし、副作用もないので、安心です。
お客さまには、10分でもいいので毎日やってくださいとお話ししています。忙しい方には、お風呂に入りながらとかテレビを見ながらなど、生活の中に組み込んでしまうとよいですよ、などとアドバイスすることもあります。

「Mint Mam」では、30分か1時間のコースが選べる。 足の裏の反射区を刺激することで、全身がほぐれていく感覚が気持ちいい。
「Mint Mam」では、30分か1時間のコースが選べる。
足の裏の反射区を刺激することで、全身がほぐれていく感覚が気持ちいい。

ポールウォーキングの魅力を伝えたい

— 最近は、ポールウォーキングを広める活動にも興味を持っていらっしゃるとか。

平岡♣ ええ。生涯健康でいるための「しっかり歩き」は、足、靴、歩き方の3つを整えることが大事だと、はじめにお話ししました。ポールウォーキングは、そのうち「歩き方」を整えるうえで非常に効果的なんです。

ポールウォーキングは、クロスカントリースキーのトレーニング方法にヒントを得て開発された歩行法です。ポールを持って歩くだけで、正しい姿勢のまま歩幅を広げてバランスよく歩けるようになります。
転倒防止になるので高齢者の方にはもちろん、上半身も積極的に動かすことで全身運動になることから若い方にもおすすめです。なお、ポールウォーキングは、ふつうのウォーキングに比べて20~30%も運動効果が高いそうです。つまり、ダイエットにも効果的ということですよね。
まだあまり知られておらず、ポールが杖のように見えることから若い方に敬遠されがちなのがとても残念。ですので、これからサロンはもちろん、講習会などいろいろな機会に、ポールウォーキングの魅力をお伝えしていきたいと思っています。

ポールを使ったエクササイズのプログラムを開発しようとしている知り合いがいるので、そのお手伝いもしていきたいと考えているところです。
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足、靴、歩き方のトライアングルを追求

— どんどん興味の幅を広げていらっしゃるのですね。そのパワーの元は何でしょう。

平岡♣ 興味を持つと学びたくなって、学んでいくうち、さらに突き詰めたくなってしまうんです。負けず嫌いなのかもしれません。
そういえば、2007年にランニングを始めたんですが、それも「どうせ始めるのなら、いい先生についてきちんと習おう」と思い、チームに入りました。そして、第3回の東京マラソンに出場。年齢別のタイムでは、かなりよい成績を残しました。学生時代はマラソン大会「雨だったらいいな」と思っていた私が、ですよ。そんなふうに、何でもとことんまでやりたくなってしまうのは、性分なのかもしれませんね。

— これから、中心にしていきたい活動は何ですか。

平岡♣ 足、靴、歩き方の3つのトライアングルを追求していくために、フットセラピスト、若石リフレクソロジスト、ポールウォーキングマスターコーチと3つの活動を一体化させていきたいと思っています。今度、リフレクソロジーやポールウォーキングが順序だてて学べる4回連続講座を開くのですが、そういう形でお伝えする機会がたくさんもてたらいいな。
また、先ほどお話ししたポールを使ったエクササイズのプログラムを広めていく活動は、個人的にとても興味があるので、それも積極的にお手伝いしていきたいです。

— パワーあふれるお話をどうもありがとうございました。

ポールウォーキングは、スキーのストックのようなポールを2本手に持ち、前について歩く。「簡単によい姿勢が保てるのがいいですね」。平岡さんが愛用しているポール。身長に合わせて、長さを調節できる。
ポールウォーキングは、スキーのストックのようなポールを2本手に持ち、前について歩く。「簡単によい姿勢が保てるのがいいですね」。平岡さんが愛用しているポール。身長に合わせて、長さを調節できる。

First Posted : 2014.11.17 on "clover&"

PROFILE

平岡裕美子[ひらおか ゆみこ]

国際若石(じゃくせき)メソッドスクール・若石リフレクソロジスト、青山フットケアアカデミー・自然療法フットセラピスト、ウォーキングセラピスト、(社)日本ポールウォーキング協会・ポールウォーキングマスターコーチ、(社)足と靴のフットケア協会・足と靴のフットケアアドバイザー、インストラクターなど、足の健康に関する資格多数。
東京・世田谷区に自身のサロン「Mint Mam自由が丘」を開業。

〈近況〉
サロン名を“ラポール”と改め、“Foot&Body motosumiyoshi” (神奈川県川崎市)内でリニューアルオープン。「足・靴・歩行のトライアングル」のうち、「靴」を“Foot&Body motosumiyoshi” が担い、“ラポール”は「足」「歩行」を追求。サロンでの施術等に加え、自由が丘駅より徒歩7分のスタジオでも、「セルフフットケア」とポールウォーキングの進化形である「Twin Pole Revolution ウォーキング」を組み合わせたプログラムを新たに展開。
ラポールHP:http://rapport-walk.com/


writer’s profile

鈴木麻由美 女性のライフスタイル全般および育児・保育・教育関係を中心に取材・執筆。

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