若石リフレクソロジスト 平岡裕美子さん(前編)

足と靴と歩き方を整えて 「しっかり歩き」で健康に! TEXT by 鈴木麻由美 PHOTO by 菊池陽一郎

若石リフレクソロジーの施術やフットカウンセリング、ポールウォーキングの指導など、足の健康にこだわって幅広く活動されている平岡裕美子さん。平岡さんが提唱している「しっかり歩き」とは、どんなもの? どうしたら「しっかり歩き」が実行できるの? ご自身のサロン「Mint Mam 自由が丘」にて、お話しいただきました。

健康のためには、何よりしっかり歩くこと!

— フットセラピスト、若石(じゃくせき)リフレクソロジスト、ポールウォーキングマスターコーチと、足に関するさまざまな資格をお持ちですね。平岡さんが足の健康にこだわっていらっしゃるのは、なぜですか。

平岡さん♣ 私は母を50代で亡くしているんです。当時、私はまだ若く子育て真っ最中だったので、まだ50代の親が病気だの血圧が高いだのと言っても、あまり深刻に受け止められなかったんです。それで、もっと気をつけてあげればよかった、と。
いま、私自身が母が亡くなった年に近づいていて、自分や友だちを見ていても「ああ、この年代に気をつけることが大事なんだな」とすごく思うんです。体って、悪くなってからだと、治すのはなかなかむずかしいじゃないですか。でも、悪くなる前なら、できることはたくさんある。食べることもそうだけれど、私はとくに健康維持には「歩くこと」が大切なんじゃないか、と。
歩くことって、誰でも毎日、していることでしょ。よく歩数ということを言いますが、ちょこちょこ小幅で歩数を稼ぐより、歩数は少なくてもしっかり歩いたほうが断然、健康にいいはず。だから、私は健康のために「しっかり歩き」を提唱しています。しっかり歩くためには、足の状態をよくしておくことが大事だし、靴も大事だし、歩き方も大事。だから、私にとってその3つは、「しっかり歩き」を実現し、健康を維持するための大切なトライアングルなんです。

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「足のこと、学べば学ぶほど、どんどん興味の幅が広がっていくんです」と、意欲的な平岡さん。

ヘルパーの仕事をきっかけに、足の健康の大切さに開眼

— ご自身のサロンを開かれるまでの経緯を教えてください。

平岡♣ 学校を卒業後、腰掛けOLをして23歳で結婚。しばらくは専業主婦をしていました。子どもが大きくなり、何か仕事をと思ったときに、パソコンが使えなくてはダメだと思い、専門学校に通ってワープロとエクセルを勉強。その後、マーケティング会社で入力の仕事を始めました。
でも、それって若い人の仕事なんですね。どんどん若い人が入ってくるし、こちらはどんどん目が見えにくくなってくる。一生の仕事にはできないなと思い、ヘルパーの資格を取って転職しました。母を亡くし、何か高齢の方にかかわる仕事をしたいな、と思ったことも理由のひとつです。
老人ホームやデイサービス、訪問介護などで働き、たくさんの高齢者と接するなかで、気づかされたのが足の健康の大切さ。みなさん、「まさか自分が歩けなくなるとは思わなかった」と、嘆かれるんです。人間にとって歩くって大事なんだな、お迎えが来るその日まで自分の足で歩いていたいなと強く思いました。それで、健康ウォーキング指導士の資格を取りました。

資格を取ったので、友だちを誘っていっしょにウォーキングをしていたら、彼女が「私、足が痛いの」と。どれどれと足を見せてもらったら、ひどい外反母趾(がいはんぼし)だった。でも、そのときの私はウォーキングのことはわかるけれども、足のことは知らなかったので、何もアドバイスできなかったんです。それが申し訳なくて、ウォーキングを指導するなら足のことを知らなくてはと思い、フットケアのスクールで勉強することにしたんです。

— スクールで学ばれたあと、フットセラピストとして「Mint Mam」を開かれたんですね。

平岡♣ はい。フットカウンセリング、アロマオイルを使ったふくらはぎトリートメント、歩き方の指導を行うサロンです。最初はベッドやフットバスが常備されているレンタルサロンでやっていたんですが、お客さまも増えてきたので、1年ほどで自分のサロンを立ち上げました。

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フットケアのスクールでは、足の基本的な知識を学んだ。左から偏平足で開張足、ハイヒール足、健康な足の模型。

靴下をきっかけに、若石リフレクソロジーと運命の出会い

— 若石リフレクソロジーに出会ったのは?

平岡♣ サロンを立ち上げたことを年賀状等でいろいろな方にお知らせしたところ、古い友だちが電話をかけてきて「外反母趾が治るの? 絶対行くわ!」と言ってくれたんです。でも、フットケアのススクールで教わったことは、外反母趾のケアの方法であり、治す方法ではなかったんですね。
友だちは「治る」と思ってすごく期待をしているのに、それがとても申し訳なくて、私、自分なりに外反母趾について調べました。そして、コンフォートサポートソックスという外反母趾矯正の効果がある靴下を見つけたんです。

それが信頼できるものかどうか自分の目で確かめようと、コンフォートサポートソックスを売っている「足と靴と靴下の相談室」というところに見に行きました。そうしたら、そこは足と靴と歩き方を整えて健康を維持しようというポリシーのもとにやっているところで、私、とてもそれに共感して。すばらしいなと感激しているところで、ふと相談室の奥でやっている若石リフレクソロジーに目がとまったんです。
フットケアを学んだスクールにもリフレクソロジーのコースはあったんですが、そのころはあまり興味がなかった。でも、なぜか若石リフレクソロジーには興味がわいて。足の健康についてきちんとわかっているところがやっているのだから、いいものに違いないと、先生のご紹介を受けてスクールに通いました。そして、資格を取り、サロンのメニューに加える形で若石リフレクソロジストとしての活動を始めたんです。

「しっかり立っているつもりでも、きちんと踏ん張れていない人は多いんです。その証拠に裸足だと、私がちょっと力をかけただけでバランスをくずしてしまうでしょ」
「しっかり立っているつもりでも、きちんと踏ん張れていない人は多いんです。その証拠に裸足だと、私がちょっと力をかけただけでバランスをくずしてしまうでしょ」
小指が曲がり、親指も少し内側に入った少々外反母趾気味の足(左)。コンフォートサポートソックスを履くと、それぞれの指の位置が正しい位置に近づく(右)。
小指が曲がり、親指も少し内側に入った少々外反母趾気味の足(左)。コンフォートサポートソックスを履くと、それぞれの指の位置が正しい位置に近づく(右)。

*足の健康への興味が高じて、若石リフレクソロジーに出会った平岡さん。
若石リフレクソロジーとは、いったいどんなもの?後編でご紹介します。

First Posted : 2014.11.10 on "clover&"

PROFILE

平岡裕美子[ひらおか ゆみこ]

国際若石(じゃくせき)メソッドスクール・若石リフレクソロジスト、青山フットケアアカデミー・自然療法フットセラピスト、ウォーキングセラピスト、(社)日本ポールウォーキング協会・ポールウォーキングマスターコーチ、(社)足と靴のフットケア協会・足と靴のフットケアアドバイザー、インストラクターなど、足の健康に関する資格多数。
東京・世田谷区に自身のサロン「Mint Mam自由が丘」を開業。

〈近況〉
サロン名を“ラポール”と改め、“Foot&Body motosumiyoshi” (神奈川県川崎市)内でリニューアルオープン。「足・靴・歩行のトライアングル」のうち、「靴」を“Foot&Body motosumiyoshi” が担い、“ラポール”は「足」「歩行」を追求。サロンでの施術等に加え、自由が丘駅より徒歩7分のスタジオでも、「セルフフットケア」とポールウォーキングの進化形である「Twin Pole Revolution ウォーキング」を組み合わせたプログラムを新たに展開。
ラポールHP:http://rapport-walk.com/


writer’s profile

鈴木麻由美 女性のライフスタイル全般および育児・保育・教育関係を中心に取材・執筆。

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