再発見!和の知恵・季の習慣

Photo=akiko / PIXTA

vol.26

 遠泳 Life&Workレンジャー6 東京 粂井 優子

さあ、夏休み目前ですね。青い海、広い空が待っています。

海といえば、昔からあるのが遠泳。この頃はなかなかお目にかかれなくなったとはいえ、各地で催されているようです。
そもそも遠泳の始まりは、江戸時代に遡ります。水術は各藩において、武芸十八般の一つとして奨励されました。当時の泳ぎ方は遠泳に適した立ち泳ぎ、のし泳ぎなどでした。そして明治時代になると、海軍や学校教育で水泳を習得するにあたって、遠泳が採りいれられたのです。

娘が中学から入学した国立校でも中1年で遠泳がありました。夏休み本番の千葉の海に向け、体育の時間、プールで遠泳のための練習が繰り返されました。小学校からの入学組は、6年生でも遠泳があったため、小学1年生の時から水泳教室に通ったりして、泳ぎの得意な子もたくさんいました。一方、中学受験組は、いきなり4キロの遠泳があることを知ると、真っ青になってしまった子もいたとか。

不安を抱えたまま、4泊5日の千葉の海合宿へ。そこにはたくさんの卒業生が待っていてくださります。遠泳のための組織が作られているのです。実力別に分かれての遠泳特訓、遠泳講和……。もちろん、キャンプファイヤーなどのお楽しみも。ボランティアで関わってくださる卒業生には、本当に頭が下がります。
そしていよいよ本番です。歴史を感じたのが水泳帽です。生地はなんと木綿、あごの下で縛る長い紐が左右についていました。さらに、年配の先輩はふんどし姿。それを見た子どもたちも気合いが入ったことでしょう。万が一に備えて舟も出され、途中で引き上げられた子もいたようです。
隊列を組んで、顔をあげながらの平泳ぎ。プールではない押し寄せる波や潮との戦い。途中で口に放り込まれるブドウ糖が体中に染み渡ったとか。泳ぎ切った達成感は口では表せないほどだったそうです。

楽しい経験もいいけれど、苦しいことを乗り越えるというのも得がたい経験。夏休み、遠泳はそのチャンスなのかもしれませんね。

First Posted : 2015.7.16 on "clover&"

PROFILE

粂井 優子

家族(夫、長女、次女、長男)は全員、家事の達人。全国で家事や子育てに関する各種講演、講座、ワークショップを開催し、「家族みんなに笑顔が増える」と好評を博している。

Life&Workレンジャー6 東京
自らの経験を含めさまざまな家事・育児事例を知る「暮らしのプロ」として、札幌、大阪のメンバーと連携して結成。各種講演、講座、ワークショップを展開しています。
〈近況〉 8月1日(土)「親を楽しむサロン」番外編・夏休み親子企画
「~自由研究も家の中もすっきり片づく!~家事の達人講座・片づけ編」

Share Buttons

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter