再発見!和の知恵・季の習慣

vol.21

 八十八夜 Life&Workレンジャー6 東京 今泉恵美子

立春から数えて88日目の日を「八十八夜」と言います。夏の準備をすると日され、今年は5月2日です。「八十八」の字を組み合わせると「米」の字になることから、稲作に従事する人にとっては重要な日とされています。また、この日を過ぎると霜も無く安定した気候となるという意味で「八十八夜の別れ霜」という言葉があり、種まきや苗床づくり等の本格的な農作業を始める目安となっています。

「八十八夜」と聞いて思い出すのが、♪夏も近づく 八十八夜~の茶摘みの歌ではないでしょうか? お茶の新芽が萌え出し、茶摘み(=茶葉の収穫)が始まります。実際には、茶産地によって茶摘みの時期は異なりますが、八十八夜に摘み取ったお茶は質がよく、古くから珍重されていました。また「八」という末広がりの字が重なることから、飲めば長生きできると言われています。

私は無類の緑茶好きです。お茶どころで有名な静岡に、毎年ゴールデンウィークに家族で旅行に出かけるのですが、ちょうど新茶の季節と重なり、必ずお茶屋さんに立ち寄って新茶を買って帰るのが楽しみになっています。やはり新茶は、香りも味も爽やかで、美味しさも格別です。日本茶最高!と思わずにはいられません。
最近では、お茶と言えば「ペットボトルで飲むもの」と思っている人も多く、急須でいれるお茶が身近ではなくなっていると聞き、残念でなりません。私にとっては、毎日朝晩、欠かさずお茶をいれて飲む時間が、至福のひとときとなっています。

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ちょっとしたコツさえつかめば、気軽に美味しいお茶をいれることができます。何と言っても大事なのは、「お湯の温度」です。熱湯を入れてしまうとお茶の美味しさが台無しです。煎茶の場合、適温は80度くらいですので、一度沸かした熱湯を湯のみに注ぎ、少し冷ましてから、茶葉を入れた急須に注ぎます。お茶の種類にもよりますが、30~40秒ほど待って、急須を軽く回し、最後の一滴まで湯のみに注ぎます。お茶葉の量や待ち時間は、何度か試していくうちに好みの加減が見つかると思います。

慌ただしい日々、急須でお茶をいれるというひと手間が、気持ちを落ち着かせてくれる時間となります。そしてそのお茶を飲むことで、家族皆の心がやわらぐことでしょう。お茶はまさに一服の清涼剤です。

First Posted : 2015.4.28 on "clover&"

PROFILE

今泉恵美子

企業研修・人材育成に携わった経験から、「コミュニケーション」をキーワードに人材を育てる活動を展開中。

Life&Workレンジャー6 東京
自らの経験を含めさまざまな家事・育児事例を知る「暮らしのプロ」として、札幌、大阪のメンバーと連携して結成。各種講演、講座、ワークショップを展開しています。
〈近況〉 5月15日(金)「親を楽しむサロン 心を満たす幸せの時間術」

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