再発見!和の知恵・季の習慣

vol.17

 ひな祭り Life&Workレンジャー6 東京 粂井 優子

今日はひな祭りです。その由来は古く平安時代までさかのぼれるといいますが、庶民に定着したのは江戸時代からでした。
戦後の高度経済成長期以降、ひな人形は七段飾りが多かったようですが、最近では部屋の大きさに合わせて、あるいは出し入れしやすいように、三段飾りや、男雛(おびな)女雛(めびな)1対の親王(しんのう)飾りも増えてきましたね。我が家も親王飾りです。
ひな人形は、子どもの身代わりになり、事故や病気から守ってくれるということから、姉妹がいる場合には、それぞれ別のものを飾るとされています。次女である私自身は市松人形を贈られました。我が家の次女の時には、祖母が木目込みの立雛(たちびな)を作ってくれました。

男雛・女雛は天皇・皇后を表していますが、そのことはひな人形の配置にも表れています。明治天皇の時代までは左が高位という日本の伝統があり、天皇・皇后が並ぶ際は、常に天皇が左、皇后が右でした。そのため、ひな人形も男雛を左(向かって右)に飾るものでした。しかし日本の西洋化に伴い、大正天皇からは「右を上位、左を下位とする」欧米の風習にならって、天皇が右に位置するようになったため、男雛を右(向かって左)に配置する飾り方が広く定着していったということです。

 

「ひな人形は早く片づけないと、お嫁にいくのが遅くなる」と言われていますね。二人の娘がいる我が家も3月3日が過ぎるとすぐ片づけています。これは旧暦のひな祭りが現代の暦では4月3日頃となり、梅雨が近づいて虫食いやカビのもとになるというのが理由のようです。そう考えると、天気の悪い日ですと、湿気ごとしまうことになりますから、3月4日が雨でしたら、翌日に延ばした方がいいですね。
他にも「片づけられない、だらしなくしている娘には、嫁のもらい手も現れない」というしつけの意味もあるようです。子どもに片づけを教えるいいチャンスともいえますね。

ひな祭りの由来や意味、三人官女(かんじょ)が宮中の女官(にょかん)を表していることなどを伝えるのもよいでしょう。祖父母など、贈ってくれた人への感謝の気持ちに思いを馳せながら、親子の楽しい語らいの時間にすることも大切です。そうしておひな祭りの伝統は伝承されていくのでしょうね。

First Posted : 2015.3.3 on "clover&"

PROFILE

粂井 優子

家族(夫、長女、次女、長男)は全員、家事の達人。全国で家事や子育てに関する各種講演、講座、ワークショップを開催し、「家族みんなに笑顔が増える」と好評を博している。

Life&Workレンジャー6 東京
自らの経験を含めさまざまな家事・育児事例を知る「暮らしのプロ」として、札幌、大阪のメンバーと連携して結成。各種講演、講座、ワークショップを展開しています。
〈近況〉 3月13日(金)「親を楽しむサロン 子どもの『気がかりサイン』は親子がぐんと成長するチャンス」

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