再発見!和の知恵・季の習慣

Photo=南無観自在

vol.13

 おせち料理 Life&Workレンジャー6 東京 三浦 陽子

おせち料理といえばお正月に作る代表的な料理ですよね。漢字では「お節料理」と書きます。

もともと「おせち」とは「節供(せっく)料理」の意味で、季節の変わり目である五節句に、神様にお供えする料理のことだそうです。
五節句とは、正月(一月)七日の「人日(じんじつ)」、三月三日の「ひな祭り」、五月五日の「端午(たんご)」、七月七日の「たなばた」、九月九日の「重陽(ちょうよう)」の5つです。正月の人日が一番重要な節句であることから、「おせち料理」といえば正月料理をさすようになりました。
また、新年三が日の間は神様がおられるために炊事をしない、台所に入らないという風習があったため、日持ちのする料理を年末に沢山作っておき、三が日の間はそれを食べるならわしがあったようです。

五穀豊穣、家族の安全と健康、子孫繁栄の祈りを込めた「おせち料理」には、ひとつひとつおめでたい意味やいわれがあるのをご存じでしょうか。

★黒豆
この1年まめ(まじめ)に働きまめ(健康)に暮らせるようにと無病息災を願った食べ物です。
「黒く(真っ黒に日に焼けるほど健康に)まめに暮らす」という意味もあるようです。

★数の子
子沢山や子孫繁栄を願う縁起物として食べられます。

★田作り
いわしの肥料を使った田んぼが豊作だったところから、別名ごまめ(五万米)とも呼ばれています。
豊作を祈願する食べ物です。

★たたき牛蒡(ごぼう)
ごぼうは、地中深く根を張るので、家(家族・家業など)がその土地にしっかりと根を張って安泰にという願いが込められています。

関東では「黒豆、数の子、田作り」の3種、関西では「黒豆、数の子、たたきごぼう」の3種が、「祝い肴(ざかな)三種」「三つ肴」と呼ばれ、特に欠かせない品とされます。3種類の料理に餅を揃えれば、最低限の正月の祝いになるということです。

この他「おせち料理」に入れるものは、地域によって違いがありますが、それぞれにたくさんの願いが込められているものですね。我が家では、栗きんとん、紅白なます、昆布巻きは必ず用意しています。

現代ではコンビニは年中無休ですし、大型ショッピングセンターなども2日には開店しています。そのため、おせち料理もずいぶん様変わりしてきていますが、今年は「おせち料理」の由来を考えながら頂きたいと思います。

First Posted : 2014.12.26 on "clover&"

PROFILE

三浦 陽子

多くの子どもたちと、夏は磯遊び、冬はスキーといったアウトドアを楽しみ、外遊びから「生きる力」を身につけた人材を輩出すべく活動中。

Life&Workレンジャー6 東京
自らの経験を含めさまざまな家事・育児事例を知る「暮らしのプロ」として、札幌、大阪のメンバーと連携して結成。各種講演、講座、ワークショップを展開しています。
〈近況〉 2015年1月16日(金)「親を楽しむサロン いいお母さんより、幸せなお母さんになる」

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