vol.12
冬至(とうじ) Life&Workレンジャー6 東京 今泉恵美子一年のうちで昼の長さが最も短くなる日が「冬至」で、今年は12月22日です。しかも今年は、新月(朔)と冬至が重なる「朔旦(さくたん)冬至」にあたります。これは、19年に1度めぐってくる、月の復活と太陽の復活が重なるおめでたい日とされています。昔は宮中などで祝宴を開いていたそうです。
さて、冬至の日には、「運盛(も)り」と言って、「ん」のつく食べ物を食ベると「運」を呼び込めるという習わしがあります。中でも、「なんきん=かぼちゃ」はβカロテンなどの栄養素がたっぷり含まれ、冬至には欠かせない食材です。
私も幼い頃から母に「冬至にかぼちゃを食べれば風邪をひかない」と教わり、大人になった今でも、食べないと風邪をひいてしまう気がして、どんなに忙しくても欠かさずかぼちゃを煮て食べるようにしてきました。
地域によっては、あずきと一緒に煮る「いとこ煮」を食べるようですが、我が家は、母から教わったレシピで、かぼちゃだけをシンプルにだし汁と砂糖、しょう油、塩少々で煮ます。これを食べると母の味を思い出し、元気が湧いてきます。大切にしたい我が家の味です。
もうひとつ冬至と言って欠かせないのが、「ゆず湯」です。語呂合わせで、「体の融通(ゆうずう)がきくように」や冬至=「湯治」にかけているとも言われます。またゆずの強い香りと薬効で邪気を払う目的もあります。
皆さんは、どんな入れ方をしていますか? 私は丸ごとそのまま入れる派です。湯船に浮いた黄色い実を見ると心もパッと明るくなりますが、我が家で使うのは1~2個なので、鼻をくんくんさせないと香ってこないのが難点。
そこで試したのが、半分に切る方法。香りも成分も出やすい一方、種や果肉も出てきてお湯が濁ります。その後処理の手間を省くために、切ったゆずをガーゼや不織布の袋に入れる方法もあります。合理的ですが、黄色い実が見えなくなってしまうのが残念。一長一短ですが、是非お好みの入り方を見つけてくださいね。
おめでたい今年の冬至。クリスマスを前に、日本の風習をしっかり楽しんで寒い冬を乗り切りましょう。
First Posted : 2014.12.16 on "clover&"