家事&暮らしニュースサロン

vol.19

 ブームは来る? 東京からの地方移住 暮らし学舎。 前田真理

先月のこのコラムで、少子高齢化により「買い物弱者」が都市部にも増加。将来的にはコンパクトシティーを求めて住み替えが必要になるかも・・・という記事を書きましたが、これとやや関連するニュースが報道されました。

民間有識者でつくる日本創成会議は、東京都と周辺3県で高齢化が急速に進み、2025年には、介護施設が約13万人分不足と推計。医療・介護などが充実している全国41地域を例示し、高齢者に移住を促すべきだと提言したのです。

住み替えが必要になるのが、過疎化地域ではなく、過密地域。人口過多・地価高騰の首都圏ゆえ、介護施設のさらなる設置が難しく、施設が大きく不足するという、前回のコラムとは逆の状況で、いわば「介護弱者」が誕生してしまうであろうというわけです。
提言の背景は介護施設の不足ですが、移住の条件を、「健康なうちに」、都会暮らしとのギャップが少ない「一定以上の生活機能を満たした都市部」へ、というのがポイント。私の住む鹿児島市も移住候補地のひとつに上がっています。

バブル期にも「老後は海外で」という移住話が盛んに流れたことがありました。これには、富裕層の夢物語と思っていた私ですが、今回の提言については、すぐに大きく動き出すことはないだろうが、生活の質の転換、地域活性化を絡めた新しい町づくりのひとつの方策かもしれないと考えています。
ただ政策として交付金がつくようになると、首都圏エリアで人口減地域を抱える県では、逆に歓迎しにくいものがあるかもしれません。

さて、この移住話について、識者からはいろんな意見が出ていますが、私は、実は夫婦などパートナーとの関係が、実現の大きな鍵を握っているのでは? と考えています。
老後を新しい環境でスタートするには、夢や覚悟が必要です。夫婦や友人など、パートナーと一緒に移住をと考えようとした時、これまでの縁を整理して、共に新たな人生を描けるふたりなのかどうか?
みなさんは、どうお考えですか?

First Posted : 2015.7.1 on "clover&"

PROFILE

前田真理

フリーランスライターの傍ら、「暮らし学舎。」を主宰。
家のコトを家族や仲間とシェアして、幸せ感ある心地よい暮らし方を見つけよう!と活動中。
暮らしに関する講座を開くほか記事やFacebookで情報発信している。
「暮らし学舎。」FBは、https://www.facebook.com/kurashigakusya

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