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外国人お手伝いさん誕生へ 暮らし学舎。 前田真理政府の国家戦略特区諮問会議は9月、女性の活躍推進等のため、外国人家事支援人材の入国・在留を解禁すると決定し、外国人お手伝いさん誕生へと動き始めました。
「お手伝いさんなんて私には関係ないわ」というのが一般的な感覚かもしれません。しかし、介護や育児にも絡み、家事支援ニーズが増えているのは事実です。OECD2014年度版統計「家庭内1日の無償労働比較」によると、日本女性の無償労働は、29カ国中5位で、299分。一方、日本男性は、27位の62分。女性の社会進出を求めながら、女性の家事負担が重い日本。外国人活用を考えるのもひとつの方法でしょう。
私が10年ほど前に暮らした北京では、男女平等意識が高く、女性の社会進出も進んでいて、家事の主力はお手伝いさんという家庭がたくさんありました。お手伝いさんの中には、わが子は実家に預けた住み込み女性も少なくありませんでした。しかし、雇い主の子どもたちが甘やかされ、家事の延長にある文化や潤いが希薄なのは気になるところでした。
家事支援は、忙しさや健康要因などの状況があるだけでなく、料金に割安感があったり、家事より優先される何かがあったりする場合に利用しようとするのでは。北京の例が経済格差の上に成り立っていると考えると、日本でもお手伝いさんが定着すると、家事はどんどん軽視されるのかしら?と、寂しい気もしてきます。家事支援を利用するのもいいけれど、家事をあまりに無意識に人の手に渡してしまうと、失うものもあるような気がするのです。
無償の家事は負担感から、「いかに省くか?」に注目が集まりがちです。でも実は、家族で力を出し合えば、楽しみとなったり、「ありがとう」を伝えるきっかけや、役に立つ喜びを実感し、人として成長するチャンスだったりもします。そんな家事の力を信じれば、買い物は夫が、洗濯は息子が、掃除は娘が・・・ということも夢ではありません。「いかに分け合うか?」という視点も忘れたくないもの。みなさんは、誰とどう家事を分け合いますか?
First Posted : 2014.10.1 on "clover&"