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鹿児島 茶節 暮らし学舎。 前田真理———-
地元在住の「クローバー&」コラム執筆陣が、その土地独自のレシピ、食材、調味料を紹介します。お土産の定番や名産品以外にも、「珍しい? 変わってる? でもおいしいんです!」というものはさまざまあるもの。旅行したとき、お取り寄せで、身近な食材の新レシピとして……。「おいしそう!」と思ったら、試してみませんか?
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最近、みそ汁飲んでますか?
飲むとほっとするんだよな、と思いつつも、作るのは面倒――というのはあなただけではないよう。味噌の消費量は、約20年で40%ほどの減少とも言われています。
そこで、鹿児島の前田からご紹介するのは・・・茶節(ちゃぶし)です。
お茶に節ってあったっけ? なんて想像した方は残念。茶節は、お茶+鰹節のネーミングで、鹿児島の南薩摩地方に古くから伝わる栄養ドリンク的な伝統食。鰹節に味噌を加え、お茶を注いで作ります。
南薩摩地方を中心に飲まれてきたのは、材料の鰹節とお茶が、共に日本一の生産量を誇る地域だからかも。起源は不明ですが、「昔から農作業の合間にお茶代わりに飲んでいた」「疲れた時に、生卵を加え、薬代わりに」「二日酔いにはもってこい」といった声が聞かれます。
毎年1月、南薩摩地方では指宿(いぶすき)菜の花マラソンが開催され、全国からたくさんの市民ランナーが訪れます。地元の人たちが沿道で食べ物を並べてもてなす姿が名物ともなっていますが、ここでも茶節は登場! ランナーたちにも「おいしくて疲れが取れる~」と評判上々です。
さてこの茶節、作り方は、びっくりするほど簡単です。削り立ての鰹節があれば最高ですが、鰹パックでもOK。お椀に好みの量の鰹節と麦味噌を入れ、熱いお茶を注ぐだけ! みそ汁を作るのが面倒な人も、これなら簡単でしょ。ダシを取らず、化学調味料や保存料無添加の、インスタントみそ汁の出来上がりです。
ふんわりと広がる鰹節の香りと旨みたっぷりのやさしい味がいいですね。私は鰹節まで食べてしまいます。お好みでネギや生姜など薬味をどうぞ。これからの季節、行楽弁当に登場させれば、サプライズで喜ばれるかもしれませんよ。
2年ほど前から、お湯を加えるだけでOKのインスタント茶節も市販されています。味噌とお茶をペーストやフリーズドライにしているので、さらに手軽でおいしい。取り寄せが可能なので、お試ししてみてはいかがですか?
First Posted : 2015.9.1 on "clover&"
◎ペーストタイプ「旨味茶節」
販売元 藤安醸造(株)
電話099-267-5151または horebore@hishiku.co.jpで注文可。
参考価格 4食袋入り¥500(税別)
◎フリーズドライタイプ「SUB SOUP茶節」
販売元 山川水産加工業協同組合
電話0993-34-0155で注文可。
参考価格 1食カップ入り¥200(税別)、3食袋入り¥400(税別)
*鹿児島ここよかねっと http://www.kokoyoka.net/info.php?id=I0000717&type=item でも、1食カップ入り¥180(税込)のみ取り扱い。