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vol.4

 ソウル・サーファー 上原千都世
あらすじ
ハワイのカウアイ島。サーファーの両親と2人の兄に囲まれて暮らしていた13歳の少女ベサニーは、母から「マーメイド」と呼ばれるほど海が大好き。優しい家族に見守られ、プロサーファーになる夢を抱いてトレーニングに励んでいました。スポンサーもつき将来を嘱望されていたベサニーですが、練習中にサメに襲われサーフボードごと左腕を奪われてしまいます。奇跡的に一命をとりとめたベサニーは、何と事故から1カ月後にサーフィンを再開。トーナメントに出場するも結果は惨敗。ショックを受けたベサニーはサーフィンから離れようとしますが……。

ハワイの海と家族、友人、そしてサーフィンを心から愛する13歳の少女が、海で左腕を失うという大きな悲劇を乗り越え、世界中の多くの人々を勇気づける存在になっていくという実話を映画化した作品です。

事故直後も病院で涙も見せず気丈にふるまい、逆に家族や友人を励ますベサニー。見ているこちらが泣きたくなってしまうようなできごとを「私が腕を失ったことにも意味はある」と言ってのける強さに圧倒されます。彼女を支えてくれたのは“神を信じていればどんなことでも乗り越えられる”という信仰心、そして大好きなサーフィンを失いたくないという思いでした。過剰に心配しすぎず、海に戻ったベサニーを温かく見守り応援する両親も素敵です。

思うような結果が出せず、一度は諦めかけたサーフィン。でもチャレンジする自分の姿が、同じように体が不自由な子供たちや、世界中の人々に勇気を届けるということを知ったベサニーが再び海へ戻り、ビッグウェーブを乗りこなす姿に、胸がいっぱいになってしまいます。

人生はサーフィンと同じ。波にのまれたら立て直せばいい。人生の羅針盤となってくれそうな名言満載で、ハッとさせられるたびにメモってしまいました。感動と勇気をたくさんもらえる、サーフィンを知らない方にもおススメしたい作品です。

First Posted : 2014.8.19 on "clover&"

作品情報
監督・脚本:ショーン・マクナマラ
出演:アナソフィア・ロブ/デニス・クエイド/ヘレン・ハント
〔2011年/アメリカ/1時間46分〕

 

PROFILE

上原千都世

ライター、コラムニスト。
エンターテイメント情報誌「weeklyぴあ」映画担当を経てフリーに。エンタメ界での経歴、子育てなどの経験を活かして現在は「エンタメ・暮らし・子ども」などをキーワードに雑誌・書籍・web問わず執筆。「こども映画プラス」 「ウレぴあ総研」などに寄稿。

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