vol.16
雨水(うすい) Life&Workレンジャー6 東京 三浦 陽子二十四節気の一つである「雨水(うすい)」は、温かさに雪が雨に変わり、氷が溶けて水になるという意味です。水がぬるみ草木の芽が出始める頃で、現在の暦では2月18~19日頃にあたります。
昔から農耕の準備を始めるのは「雨水」が目安とされてきたそうです。また、この日にひな人形を飾ると良縁に恵まれるといわれています。
「春一番」が吹くのもこの頃です。「春一番」は春の訪れを告げますが、急に暖かくなったり、寒さがぶり返し大雪が降ったりと「三寒四温(さんかんしおん)」を繰り返しながら春に向かっていきます。
このころに芽生える「フキノトウ」は、春の訪れを告げる山菜として人気です。
野山や道ばたなど、日あたりのよい場所で全国の野山に自生するキク科の多年草です。わが国最古の野菜の1つで、栽培もされています。
フキノトウ(蕗の薹)はつぼみの部分にあたり、この花が咲いた後には地下茎から伸びる葉(煮物などで食べる「ふき」)が出てきます。
雪の少ない地方では、2月ころに若草色のつぼみを摘みます。雪の多い地方では、雪が解けきらないうちに、雪の下で黄色い「ほう」が開き、芽を出したものを摘みます。
フキノトウには独特の苦みがありますが、「春には苦みを盛れ」と言い、この苦みが体を春へと目覚めさせてくれるのだとか。冬眠から目覚めた熊がまず最初に食するのがフキノトウだともいいます。
この苦味には、抗酸化作用のあるポリフェノールや、新陳代謝を促進する成分も含まれているとのこと。
また、ビタミン類やカリウム、カルシウムなどのミネラルを含み、食物繊維も豊富です。
さまざまなポリフェノール群を含むことでも注目され、中でも「フキノール酸」は、血中ヒスタミンを減らすことから、花粉症に効くと話題になっているようです。
春先に都合のよい効能が目立ちます。この時期に是非取り入れたい食材ですね。
幼いころ、母や祖父がフキノトウが大好きだったため、近くの田んぼのあぜによく採りにいきました。私には苦くて苦手でしたが、天ぷらにすると苦味がやわらぎます。そして今では、そのほろ苦さがなんとも美味しく感じられるようになりました。何しろ、春を感じるし、美味しい!
さあ、冬の体をリセットして春の準備をしましょう!
First Posted : 2015.2.17 on "clover&"