家事&暮らしニュースサロン

vol.25

 進化する冷蔵庫に 欲しいもの 暮らし学舎。 前田真理

秋はメーカー各社が、冷蔵庫の新製品を発売する季節。ニュースやコマーシャルで、新製品の情報が流れるようになりました。
ここ数年は、大容量が話題となっていますが、昨年の最大量705Lからさらに大きくなり、今年はついに、730Lのものが登場。野菜室を引き出すと押入れ半間くらいの大きさとなり、重厚な家具のような風格を持つほどです。家電量販店のサイトによると、必要容量の目安は[70L×家族の人数+常備品分(100L)+予備(70L)]といいますから、3人家族で380L、5人家族でも520Lで十分なはず。大型化傾向にあるのは、共働き世帯だけでなく、高齢世帯も増え、たびたび買い物に行きづらく、まとめ買いをする家庭が多くなっていることの表れなのでしょう。

わが家の冷蔵庫は10年越えですが、大型新製品が並ぶ売り場を見てみると、この10年の進化ぶりには驚かされます。力を加えなくても自動で扉が開いたり、頭を使わなくてもセンサーが在庫や温度を計測対応したり・・・。食生活やライフスタイルの変化に合わせた工夫がいろいろ。昔の人が保温ポットを「魔法瓶」と呼んだように、「魔法箱」と呼びたくなるほどです。

大容量冷蔵庫が可能になっている背景には、10年前と比較すると、電気代が1/3ほどになる省エネ技術、そして保存技術の進化があります。日立は減圧とプラチナ触媒の利用で鮮度低下を防止、三菱は冷凍には至らない氷点下温度で肉や魚をストック、パナソニックは湿度管理で野菜の鮮度を保つなどを売りにしています。各社、食材の鮮度を長期保つ技術にしのぎを削っているよう。冷やすことのみを保存の手段としてきた冷蔵庫の歴史からは、革命的なことが、今、行なわれているのですね。

ところで、食材の買い物が面倒だと感じる私も大容量は嬉しいのですが、果たして自分に使いこなせるか? の疑問も。食品の収納スペースが増えるということは、管理すべき食材が増えるということです。
日本の家庭から出る一人当たりの食品ロスは、年間15kg、60食分だともいわれます。無駄にされている食品のいかに多いことか。冷蔵庫の進化に見合った、食材の管理能力の進化も必要かもしれませんね。

First Posted : 2015.10.7 on "clover&"

PROFILE

前田真理

フリーランスライターの傍ら、「暮らし学舎。」を主宰。
家のコトを家族や仲間とシェアして、幸せ感ある心地よい暮らし方を見つけよう!と活動中。
暮らしに関する講座を開くほか記事やFacebookで情報発信している。
「暮らし学舎。」FBは、https://www.facebook.com/kurashigakusya

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