家事&暮らしニュースサロン

Photo:消費者庁パンフレットより

vol.16

 食べ物は頭で選ぶ? 体で選ぶ? 暮らし学舎。 前田真理

食品やサプリメントのパッケージや広告って、健康効果の表現が曖昧で、イメージは伝わるけど、よくわからないなぁ、と感じたことはありませんか?
実はそれは、薬事法で食品は、医薬品的な効能効果を謳えないとされているためなのです。ただし、消費者庁認定の「特定保健用食品(トクホ)」と国の基準値に適合する「栄養機能食品」は例外です。

そんな中、この春から、体の部位への効能を具体的に示すことができる「機能性食品」の表示がスタートしました。夏ごろには、店頭でも見かけるようになるでしょう。
「トクホ食品」の認定はハードルが高く、現実には大企業しか参入できない状況ですが、「機能性食品」は、科学的根拠の届出義務のみ。食品関連事業者は国の審査を受けることなく、独自に指定が可能です。食品の種類にも制限がなく、サプリメントや飲料、お菓子、農水産物、加工食品など、あらゆる食品に使えます。

この背景には、国民が食べものに気を配り、健康保持することで医療費を削減したい。アメリカを見習い、健康食品の経済効果に期待したい。科学的根拠に基づいた業界の健全化を図りたい。といった目論見があるようです。

ところで、何を食べると体にいいのか?という話題は、今や挨拶代わり。食品関連事業者の判断による機能性食品が巷に出回るようになれば、消費者はさらに知識や選ぶ力が求められるでしょう。ただ私は、「みかんとりんごはどちらを食べるべきか?」「栄養素が壊れにくい食品は何か?」といった具合に、食べ物を味わうというより、頭で食べる人が増えていることには、違和感も抱いています。

春は疲れが溜まりやすい季節。自律神経が弱り気味かなぁ? でも、春の幸は味わいたい――と私は、毎春楽しみにしている山菜や甘夏採りに出かけました。
数日後、聞いたところによると、「自律神経には、酸味と苦みがいいらしい」のだとか。それって、私が収穫した春の幸にちゃーんと入っているじゃないの!?
知識を得ることも必要ですが、旬の味をおいしく味わうことや、必要な食べ物を感じ取れる、身体や五感を育てることも必要ではないかな、と思うのです。

First Posted : 2015.5.20 on "clover&"

PROFILE

前田真理

フリーランスライターの傍ら、「暮らし学舎。」を主宰。
家のコトを家族や仲間とシェアして、幸せ感ある心地よい暮らし方を見つけよう!と活動中。
暮らしに関する講座を開くほか記事やFacebookで情報発信している。
「暮らし学舎。」FBは、https://www.facebook.com/kurashigakusya

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