家事&暮らしニュースサロン

vol.12

 教育負担は誰がいかほど? 暮らし学舎。 前田真理

「友達が大学進学を断念したらしい。あんなに優秀で、がんばっていたのに。受験させてもらえる自分に身が引き締まった」と、娘がショックを受けた様子で帰宅しました。将来子どもを大学にやるには今が貯蓄時、と過ごした幼い頃は束の間。大支出の時期がわが家にも訪れました。

日本政策金融公庫は2月20日、高校から大学にかかる教育費の総額は880万円、との調査結果を発表しました。自宅外通学生は、さらに生活費等に605万円が必要だとか。経済格差に加えて、地域格差も感じるところです。
総務省による2014年の家計調査では、一世帯当たりの消費支出は、前年比3.2%減で、3年ぶりのマイナス。中でも教育費は8%減で、教育まで手が回らない家計の現実が垣間見えます。
ちなみにOECD(経済協力開発機構)加盟国30カ国中、15カ国では大学授業料が無料。日本の公的資金の高等教育への支出(GDP比)は、OECD平均の約半分であり、家計負担の重さは課題とされているのです。

学費が多額であることも原因でしょうが、大学進学は親がかりが当然という風潮には、やや疑問も感じています。大学全入時代と言われる昨今。大学での学びの意味合いも変化しました。義務教育を終えて3年。ここにきても、親が物心両面であれこれと世話を焼き過ぎることは、本当に子どものためになるのだろうか? 子どもが自立するチャンスを奪っていることにはならないのか?という疑問です。

そこでわが家でのせめてもの策は、受験生でも家事を分担するということ。娘の担当は風呂掃除と弁当箱洗い。面白いことですが、成績がふるわない時期は、家事もなかなか進んでできません。成績が上向きだなと思う時には、私が声をかけなくても、自分の担当以外の家事にもさっと手を出してくれて相乗効果を感じます。
大人や国は次世代を担う子どもたちに何をすべきで、何をすべきでないのか。彼らが自分の力で道を切り開くに相応しい支援を考える必要があるのかもしれないな、と思うのです

First Posted : 2015.3.25 on "clover&"

PROFILE

前田真理

フリーランスライターの傍ら、「暮らし学舎。」を主宰。

家のコトを家族や仲間とシェアして、幸せ感ある心地よい暮らし方を見つけよう!と活動中。

暮らしに関する講座を開くほか記事やFacebookで情報発信している。

「暮らし学舎。」FBは、https://www.facebook.com/kurashigakusya

 

〈近況〉4 月 5日(日)13:30~

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