家事&暮らしニュースサロン

vol.11

 「残念な夫」それとも「残念な自分」? 暮らし学舎。 前田真理

世相を反映するテレビドラマですが、1月期は夫婦関係を赤裸々に描くラインナップが話題に。玉木宏・倉科カナ主演の「残念な夫」もそのひとつで、出産により変わる夫婦関係を描いています。あまりにリアルで戸惑いを感じるほどではありますが・・・。

私が長女を出産した20年前は、子どもは夫婦の絆を強めるものという昔ながらの考えがまだ一般的でした。しかし出産によって夫婦関係にマイナスの変化が起きることが認識されるようになり、離婚に至る夫婦も増加。最近では、「産後クライシス」という言葉も登場。ようやくそんな時代が来たのか、とある種の感慨を覚えます。
私にも、ママ友にはわかってもらえるのに、夫には伝えられないもやもやがありました。親世代とは違い、社会人として自分らしく自立して生きる術を学んできた女性たち。それが、ある日突然、一日中を自分以外のものに振り回され、社会とは隔絶した状態で生きろと引導を渡されたように感じてしまう辛さや焦り。夫婦であるがゆえに感情がコントロールできず、うまく伝えられないもどかしさもありました。

「残念な夫」というタイトルは、よくできているなぁ、と思います。残念の前提には期待があるはず。期待を裏切る夫に苛立つ妻ですが、実はそんな自分を残念に思っているのかも。

夫婦が共白髪となるには、いくつのクライシスが待ち受けているのか?ただ、ピンチはチャンスでもあります。東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜さんは、女性のライフステージ別に、夫や子どもへの愛情の配分の変化を調査。妻は出産すると夫への愛情曲線がぐんと下がるが、子どもが幼児期に一緒に子育てをした夫に対しては、愛情曲線が回復するというデータを発表しています。
愛情曲線は夫にもあるはずですが、お互い相手の愛情曲線の理由には気付きにくいもの。夫婦の愛情を繋いでいくには、「思いやり」から一歩進んだコミュニケーショントレーニングが必要かもしれないな、と思います。

First Posted : 2015.3.11 on "clover&"

PROFILE

前田真理

フリーランスライターの傍ら、「暮らし学舎。」を主宰。
家のコトを家族や仲間とシェアして、幸せ感ある心地よい暮らし方を見つけよう!と活動中。
暮らしに関する講座を開くほか記事やFacebookで情報発信している。
「暮らし学舎。」FBは、https://www.facebook.com/kurashigakusya

 

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