家事&暮らしニュースサロン

vol.4

 ほっこりお出汁(だし)で温まろう! 暮らし学舎。 前田真理

2013年12月に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されてそろそろ1年。世界では和食に関心が高まっていますが、本場日本の消費者には、今ひとつの雰囲気も。現在の日本では、外食も家庭の食卓も世界各地の料理を取り入れた無国籍状態。「和食」とは何なのか、ピンと来ないという方も多いのかもしれません。

そんな中、専門家の間では「和食」の見直しが盛んです。農水省では2014年度から「日本食・食文化の世界的普及プロジェクト」を推進中で、国内向けには、学校給食に和食を取り入れる講習会なども実施。㈱明治は、乳児の味覚を育てる食事として、この秋、出汁(だし)にこだわったベビーフード「みかくのはじまり」の販売を開始しました。

「和食」の定義は定かではありませんが、特性のひとつとして「出汁」は欠かせません。特に寒くなるこの季節は、心までほっこりと温まるような出汁はたまりませんね。味覚には、今では甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5種類があるとされています。ただ「旨味」については欧米ではその昔概念がなく、日本人による発表をもとに、1980年代に味覚のひとつとされました。そのため欧米では今もUMAMIと表記される場合が多いそう。旨みのかたまりである出汁は、和食の特徴と言えるでしょう。

 

鰹節生産日本一を誇る鹿児島では、食や観光の専門家・有識者が集い、2012年に「出汁の王国・鹿児島」というプロジェクト(http://dashi-project.jp/)を発足しています。出汁を知り、味わうツアーやイベントを企画するほか、商品開発を行なうなど活発に活動。推進協議会会長の山下大介さんは、「フレンチやイタリアンのシェフたちもすでに鰹や昆布の出汁を使い始めています。鹿児島には鰹だけでなく、鶏や豚の骨、海老などで出汁を取る文化もあり、豊かな食文化が魅力です。現在のドリップコーヒー人気と同じく、手間はかかるが本物の出汁を求める人は、これから増えてくるのでは」と話します。

出汁が持っているのは、おいしさはもちろん、その背景に広がる広く深い文化。あったかいお出汁を味わいながら、そんなことに触れてみる秋もいいですね。

First Posted : 2014.11.12 on "clover&"

PROFILE

前田真理

フリーランスライターの傍ら、「暮らし学舎。」を主宰。
家のコトを家族や仲間とシェアして、幸せ感ある心地よい暮らし方を見つけよう!と活動中。
暮らしに関する講座を開くほか記事やFacebookで情報発信している。
「暮らし学舎。」FBは、https://www.facebook.com/kurashigakusya

〈近況〉11月30日(日)14:00~「クリスマスナチュラルリース作り」をサンエールかごしまにて開催。
お問合せ・お申込みは「暮らし学舎。」FBへ。

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