
調理師としての経験を生かし、そとごはんのレシピを開発している風森さん(前編)。夢は「暮らしをテーマにしたお店」を持つことだそうです。
子どものころから「そとごはん」が好き!
— 「そとごはん」の魅力に目覚めたのは、いつから?
風森♣ 子どものころからですね。千葉の住宅街に住んでいましたが、当時はいまより田舎で。空き地や森などもあったので、近所に秘密基地を5つくらい持っていました(笑)。買い食いをさせてもらえない家だったので、そこに家からおやつを持っていって食べるのが好きで。いまとやっていること、変わらないですね(笑)。
— 風森さんが発信したい「そとごはん」の魅力とは?
風森♣ まずは、おいしいよ! ということです。そとといっても別に遠出する必要はなくて、ベランダとか縁側とか、近所の公園でもいいので、いつもと違う場所でごはんを食べてみたら? おいしいと思うんだよね、ということです。部屋の中では味わえない空気や光、それもごちそうのひとつになるのかな、と。
— 「そとごはん」は、一人で食べる、みんなと食べる、どちらもアリですか。
風森♣ 一人でも、みんなとでも、どちらもそれぞれに楽しいと思うんですよ。でも私は、みんなと食べる場合でも、大げさにせずに、気軽なスタイルを提案しています。
たとえば、いままでの「そとごはん」というとキャンプなどがメインでしたよね。そして、誰が肉を持ってくる、誰が野菜を持ってくるというふうに、役割分担をしたりしていましたよね。でも、それってちょっと煩わしくない? という気持ちが私の中にあったんです。なんか「よっこいしょ」という感じで大仕事になってしまう。
それで、私が提案しているのが個食なんです。たとえ、みんなといっしょに食べる場合でも、基本は個々で勝手に準備したものを持ち寄って、というスタイル。

おすすめは、持ち寄りメニューでピクニック
— たとえば、どんなものをどのように持ち寄るのですか。
風森♣ プライベートで、仲間とピクニック部を結成しているんですね。友だちの友だちレベルがメンバーで、総勢11名くらいかな。「○月○日ピクニックをしましょう」と計画するのではなく、「○月○日にピクニックをするんだけど、ひまな人、来ない?」という気楽な集まり。たとえ私一人でもその日はピクニックするよ、みたいな(笑)。
そのピクニック部で先日、代々木公園に行ったんです。そのとき、私はナムルを持っていき、ある子はチーズとクラッカーとおいしい塩、ある子はカット野菜にオリーブと塩をかけてザーッと混ぜて。水筒にスープを入れてきて、その場でフォーを作った子もいましたね。
— おいしそうですね!
風森♣ こんな持ち寄りメニューなら、気軽でしょう?
— すぐにでもチャレンジできそうな感じです。
風森♣ ごはんのあとは本を読み始める人がいたり、私は葉っぱのスケッチをしたり、4~5時間はのんびりとピクニックをしていますよ。

「最近のお気に入りはフタが二重に開く水筒。シンプルなデザインも好き」
暮らしをテーマにしたお店を持ちたい
— 「そとごはんスタイリスト」として、これからの夢や目標を教えてください。
風森♣ 「Sunnypark」というwebサイトを主宰しているんですが、こちらのテーマは「暮らしを彩るお手伝い」。そとごはんを含めたいろいろなことを表現、発信していく場として、もっと力を入れていきたいと思っています。
— 中学生のころからの夢である「暮らしをテーマにしたお店」のweb版ですね。
風森♣ そうですね。でも、実店舗もいつかは実現させたい。そのために20代のころからお金を貯めています。50歳になるころまでに夢がかなうといいな。
— どんなお店をイメージしているのですか。
風森♣ 昔の駄菓子屋がちょっとおしゃれになったくらいの規模で、いつも扉が開いていたりしたらいいですね。中で食事もできて、いろいろな小物や、私のだけでなく他の作家さんの作品も置いてあって。そう、たまり場みたいな場所がつくれたらうれしいです。

First Posted : 2015.9.28 on "clover&"