日々暮らし、子育てをする街をもっと楽しめるようにと立ち上げたグループ「じもたん」。神奈川県川崎市で地元のお店や自治体の情報発信を手がけています。主宰しているのは、自身の子育てをきっかけに、フルタイムでの働き方が自分に合わないと感じるようになったライターの中田真由美さん。まだまだ模索中であるという「じもたん」の活動について、話を聞きました。
子育てを楽しみながら、何か自分で始めたい
— 「じもたん」とは聞きなれない言葉ですが、これは何ですか。
中田♣ 川崎市宮前区・高津区在住のママたちで立ち上げたグループ名で「地元を楽しむ」という意味の略語です。私たちが日々暮らし、子育てをする街をもっと楽しめるように、また地元でがんばるお店を応援するために、サイトや最近は紙媒体などで情報発信を手がけています。
— 立ち上げまでの経緯を教えてください。
中田♣ 大学卒業後、業界新聞社、出版社を経て、IT関係のリサーチ会社に勤めていたときに結婚・出産しました。産休をとった後はフルタイムで復帰。定年まで勤めるつもりでいたのですが、とは言っても「バリバリ」働くというのは何か自分に合わないような感じもしていたんです。
さらに、子育てをしているうちにだんだん考えが変わってきました。もともと教育関係に興味があったこともあり、子育て環境や子育てしながらの働き方に、「こうだったらいいな」的な思いがいろいろありました。でも、そう思うだけで何もせず、リサーチ会社でIT分野のレポートを書くという仕事を続けている自分に、何か違和感を覚えるようになりました。
出産前はやりがいを感じていたはずの仕事でしたが、子どもや自分の住む地域のためになっているのが目に見えてわかるような仕事とか働き方とかができないかな、と考えるようになり、子どもが2歳くらいのときに退職。フリーでライターの仕事などを請け負いながら、何ができるかいろいろ模索していました。
トライ&エラーを繰り返し、「じもたん」誕生
— 「じもたん」に、たどり着いたのは?
中田♣ いろいろ思いはあっても、何をどうすればよいのかわからず、人に会ったり、セミナーに参加したり、コンセプトを考えたり、毎日何かしら動いていました。
その模索の時期が長かった(笑)。トライ&エラーを繰り返し、だんだん見えてきた方向性が、これまでの仕事でずっと続けてきた取材&ライティングのスタイル、でも目的は単なる地元情報の発信ではなく、自分も楽しみながら地域の人同士がゆるくつながるきっかけを作る、ということ。それが、ようやく形になってきたのが「じもたん」なんです。
— 「地元」に着目したきっかけは?
中田♣ 川崎市のこのあたりに住んで10数年になるのですが、都心に通勤して働いていたころは全然、地元のことを知りませんでした。子どもが生まれても、会社と家の往復で、地元にはほとんど縁がないままでした。
勤めを辞めて初めて、地元に意識が向いたのです。そうすると、こんなに長く住んでいたのに、知らないことばかり。大手の会社が手がけているフリーペーパーでは対象にならないような小さな地元のお店の情報発信、実は求められているのではないか、と考えました。
30~40代のママが集まって
— 「じもたん」は、いつ、どのようなメンバーで始めたのですか。
中田♣ 地元のお店の情報を主婦目線で取材するとフレンドリーな記事が書けるのではと思いつき、「じもたん」というサイトを立ち上げようと決めたのが2年前。まずは仲間を募りました。地元の知り合いやママ友の知り合いなど、書くのが好きそうな人、興味がありそうな人にアタックしたのですが、これが全然ダメでした。
子どもが受験だという人がいたり、仕事というと興味を持ってもらえるかなと思ったのが逆に、ハードルが高いと感じる人もいたり。そこで全然違う層に声をかけたら、興味を持ってくれる人が現れてホッとしました。
メンバーは5名。30~40代の子育て中の女性です。うちの娘が小学生なので、そのつながりもあって小学生ママが多いのですが、まだ小さい赤ちゃんのママもいます。主宰者である私は「じもたん」を専業でやり、ほかのメンバーはパートやほかの仕事をやっている人もいます。
*子育てをきっかけに働き方を見直し、地元に意識を向けた中田さん。「じもたん」の活動内容は? 後編に続きます。
First Posted : 2015.5.11 on "clover&"