ポスチュアウォーキング協会に所属し、美しい歩き方の指導をしているポスチュアスタイリストの貴島弓雅さん。遠くからもハッと目をひく、背筋の伸びた美しい立ち姿はさすがです。ポスチュアウォーキングを学んだことで、カラダだけでなく心の元気も手に入れたという貴島さんに話を聞きました。
日常生活に取り入れられるウォーキング
— ポスチュアウォーキングとは、どんなものですか。
貴島♣ ひとことでいうと、心とカラダを整える歩き方です。私たちの心はカラダとリンクされていますので、日常生活の中できれいな歩き方を意識することで、カラダだけでなく心も元気にしていこうというものです。
ポスチュアとは、英語で「姿勢」のこと。ポスチュアウォーキングには、単なるウォーキングを超えて心の姿勢という意味も込められているんですよ。
— ポスチュアウォーキングは、どのように生まれたのですか。
貴島♣ ポスチュアウォーキング協会の代表であるKIMIKOが、14~15年ほど前に産後の体型の崩れを克服するためにウォーキングを始め、自分なりのメソッドを作り上げたのが始まりです。そこに私たちのような弟子がついて、気がついたらポスチュアウォーキング協会という団体になっていた、という経緯だそうです。
— 具体的には、どのようなウォーキングなのでしょうか。
貴島♣ ウォーキングというと、早朝に手を振りながら歩くとか、モデルさんが洋服を見せるために歩くとか、そういったイメージをされる方が多いと思うのですが、ポスチュアウォーキングはそれとは少し違います。ふだんの生活の中で――たとえば、家から駅まで歩くとか、ショッピングとか、子どもの幼稚園の送り迎えとか、そういうときに使っていただける効率的なエクササイズなんです。
つまり、ウォーキングのために特別な時間をとっていただく必要もないし、もちろんふだんの服装でOK、靴もウォーキングシューズなどを履く必要はありません。レッスンのときはカラダのラインがわかるような格好に着替えていただくこともありますが、あえて「いつも履いているから」と、スカートでレッスンを受けたいという生徒さんもいらっしゃいます。
カラダの後ろ側を使うイメージで歩く
— レッスンでの指導内容を教えてください。
貴島♣ まず、大切にしたいのは立ち方です。歩き出す前に、立ち方から時間をかけて指導します。
ポイントは、かかとに体重の7割をかけ、かかとの上に頭が乗るように意識するということ。ここでたいていみなさん、「後ろにひっくり返りそう」とおっしゃいますね。人間、目も手も前についていますから、どうしても前かがみになりがちなんですね。でも、自分が思っているより後ろに重心をもってくるのがきれいな立ち方です。
そして、両足のかかとをつけ、足の先をこぶしひとつ分くらいあけて立ちます。私たちは「絶対美脚角度」と呼んでいるんですが、この角度がいちばん脚をきれいに見せてくれます。
この立ち方がマスターできたら、次に歩き方。絶対美脚角度を保ちながら、かかとから足をつけ、後ろの脚を長く使うように意識しながら歩きます。主にカラダの後ろ側を使うイメージです。
また、ふだんより目線を2センチ上げるように、ということもお話ししますね。足元を見ながら歩く方が多いのですが、目線を上げることによって姿勢が崩れにくくなります。
— レッスンには、どんな生徒さんがいらっしゃいますか。
貴島♣ 年齢層としては、私と同じ40代か少し上の方がメインですね。「歩き方がおかしいような気がするので、一度きちんと歩き方を習ってみたいと思っていた」とか「姿勢が悪いのが気になる」という方がいらっしゃいます。
あと、私は産後ケアクラスも受け持っているのですが、そちらには「産後、腰痛や肩こりがつらく、整体などにも通ったが、根本からカラダを治す必要性を感じた」という方も多いです。
ウォーキング実践でワンサイズダウン!
— ポスチュアウォーキングを実践することにより、カラダに変化はあるのですか。
貴島♣ ポスチュアウォーキング自体、とくにダイエット等を目的としているわけではないのですが、結果的にカラダはかなり引き締まりますね。もっとも得意とするところは、ヒップアップと脚の引き締めです。
私自身、まだ生徒だったときに3カ月間、受講しただけで、ボトムがワンサイズ変わりました。当時は子どもが幼稚園児でしたので、子どもの幼稚園の送り迎えで毎日、片道20~30分の道を2往復していたんです。それは前からやっていたことなんですが、そこで歩き方を意識しただけで、するするっとサイズが落ちていったのには驚きましたね。
*ポスチュアウォーキングの効果は、カラダだけではありません。貴島さんの心にも大きな変化が!
続きは後編でお楽しみください。
First Posted : 2014.9.16 on "clover&"