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vol.5

 ジュリー&ジュリア 上原千都世
あらすじ
1949年。夫の転勤でパリに住むことになったアメリカ人の主婦ジュリア。好奇心旺盛で食べることが大好きなジュリアは、名門料理学校ル・コルドン・ブルーのプロ養成コースに通い友人たちと料理教室を始め、後に英語でフランス料理を紹介するレシピ本を出版。それから50年後のニューヨーク。仕事に疲れ冴えない日々を送るアラサーOLのジュリーは、ジュリアが書いた524のレシピを365日かけて作り、その過程を毎日ブログに綴ることを思いつきます。

今から約50年前にフランス料理を一般家庭に紹介し、アメリカの食卓に革命をもたらしたと言われる料理研究家ジュリア・チャイルド。彼女の料理本のレシピを全て再現し、毎日ブログで発表することにチャレンジした現代のOLジュリー・パウエル。実話をもとにした作品で、料理を通して夢を叶えようとする女性ふたりの物語を、現在と過去を交錯させながら描いていきます。

慣れないフランス語に苦労し、料理学校では紅一点のレッスンで冷たい視線を浴びたり女性経営者に理由なく疎まれたり、レシピ本の出版が頓挫したり。異国の地で出会う様々な困難も、ジュリアは持ち前のおおらかさで明るく乗り越えていきます。

一方、現代のジュリーも狭いキッチンで思うように料理ができず、オーブン料理を焦がしたりと失敗は数知れず。ブログに熱中するあまり夫婦仲が危うくなったり。でもブログを始めるまでは「私は何をやっても中途半端」と言っていたジュリーも日々奮闘するうちに、いつしか人気ブロガーになっていきます。

自分が夢中になれるものに出逢うこと。諦めないこと。料理で人生を変えたふたりの女性の姿から、たくさんのことを感じ取れるハートウォーミングな作品です。ちなみにジュリアは「フレンチ・シェフ」というアメリカの料理番組のホストとして、185㎝の長身とチャーミングな独特のトークで人気者になり、彼女の使ったキッチンが博物館に展示されているほどの有名人だそうです。映画を観ると、「アメリカの家庭料理の概念を変えた」と言われるジュリアについて、もっともっと知りたくなってしまいます。

First Posted : 2014.9.2 on "clover&"

作品情報
監督・脚本:ノーラ・エフロン
出演:メリル・ストリープ/エイミー・アダムス/スタンリー・トゥッチ/クリス・メッシーナ
〔2009年/アメリカ/2時間3分〕

PROFILE

上原千都世

ライター、コラムニスト。
エンターテイメント情報誌「weeklyぴあ」映画担当を経てフリーに。エンタメ界での経歴、子育てなどの経験を活かして現在は「エンタメ・暮らし・子ども」などをキーワードに雑誌・書籍・web問わず執筆。「こども映画プラス」 「ウレぴあ総研」などに寄稿。

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